「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」 の由来

疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じてしまう。
疑いの深さからあらぬ妄想にとらわれる。
疑いの心をもっていると、ありもしない暗闇の中に亡霊が浮かんでくる。
皆さんはそんなことありますか?
というか皆人間、あって当然です。
だって生きているんだもん。
だって考える生き物だから。

今日は「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」についてなんですが私はあまりこの話題は取り上げたくないと考えていました。
なぜなら、私自身がこの傾向が特に強いからであります。

「疑う」の反対語は何かと考えて見ると、それは間違いなく「信じる」であります。
つまり疑う人は「信じられない人」ということになります。
これは私自身が自覚しております。
さて、この信じるってのは非常に厄介。

例えば私は、親友という言葉をあまり好みません。
漢字の意味から考えれば「親しい友人」てことなのでしょうが、私のことだけで言えば、友達は友達だし、その相手に対して格付けをするのもどうかと思ってしまうのです。
もちろんそんな私は友人も少ない。
心から理解し合える友人の事を心友ということもあるというのを今日はじめて知りましたが、心が理解できるなんてナンセンスな気もします。

もちろんそんな私は友人も少ない。
「心を開いていないのだろう」
それも自覚しています。
私は人のことを下の名前で呼ぶのがあまり得意ではありません。
相手が名前で呼んでくれてもそんな調子だから、相手との間に一定の距離が出来てしまうのです。
もちろんそんな私はなかなか友人ができないけど仕方がない。
苗字で呼び合ってもお互いの深い関係が成り立つ、新撰組のような関係には若干憧れがありますが、それもなんとなく逃げ口実なのかもしれません。
とにかく完全に相手を信用するということはなく、どこかで一定の距離を置く。
だから男女の間柄だと特に大変かもしれません。
どこまで見せていいものか戸惑ってしまうのです。
でもその駆け引きを楽しんでいるような気がしないでもない。(ずるい)
全く面倒くさい人間ですね。
結局のところ、わがままなだけなのでしょうね。

人間なのだから間違って当たり前、人間なのだから揺れてぶれて当たり前。
自分にどれほど厳しいかについては、さすがに自分の事なのではかれませんが、もしかしたらそれ以上に他人に厳しいのかもしれません。
人それぞれ。これは私のケース。皆さんはどうですか?

■「疑心暗鬼」の由来

「疑心」は仏教から出た言葉だそうです。
「六根本煩悩」のひとつとされ、仏教の真理に対して疑いの心を持つことを意味するとか。
確かに煩悩であるというのには納得ですね。本来生まれないほうが理想。
でも生まれてしまうのが人間で、だから宗教があるのでしょう。
でも教えを疑うとは・・・まさに疑心暗鬼?

「暗鬼」は文字どおり、暗闇の中に鬼を見るという意味で、「疑心暗鬼」は暗闇というだけで疑い、鬼がいるかのように見えると喩えたものだそうです。
古代中国の思想書『列子』の中で、ある男が鉞(まさかり)を失くした話の注釈に、疑心暗鬼を用いた喩えが見られるのだそう。
昔から人が疑いを持つことは変わらないということですね。

その話とは、ある男が鉞を失くし、隣の息子を怪しいと思うようになり、息子の言動全てが疑わしく感じるようになったというもの。
ところが、ある日、近くの谷底で失くした鉞を発見し、自分が置き忘れたことに気づいたため、それ以降、隣の息子の言動を怪しく思うことは無くなったのだそうな。
よくある話ですね。

私も海外旅行で部屋で指輪を失くした時、ルームキーパーのせいにしてしまったことを思い出しました。
その人は呼び出され、私の前で問いただされます。
明らかに犯人扱いです。
もちろんそれは私の勘違いで指輪は別のところから出てきました。
言い訳をすれば、そこはバリ島で物価も安く、島民もそれほど裕福ではありませんでした。
空港についてから四六時中物乞いや押し売りに追い掛け回され数日後には島民をそういった目でみる自分がいたのです。
大変申し訳ないことをしてしまいました。
今でもそのときの光景ははっきりと瞼に残っています。

話を戻すと、この『列子』の話から「これが疑心、暗鬼を生ずというものだ」と喩えられ、この「疑心暗鬼を生ず」が略され、四字熟語「疑心暗鬼」となったと言います。

そんな私、人生で一番大切なものは「信用」だと考えています。
人を信じるのには時間がかかり、失うときには一瞬。
長い人生には打ってつけの言葉だと思います。
だからこそ慎重であり、疑っては反省しを繰り返すことで信用の糸を堅いものに紡いでいくのです。
本当の鬼など存在しないそう願いたいものです。
空想上の生き物であることが、我々人間にも信じることの大切さを教えてくれているのかもしれませんね。


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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