「アシックス」 の由来

中学校の頃、陸上部に在籍させられました。
「させられた」には訳がありまして、それは本当の所属先が別にあったからです。
足の速さというのはやはり遺伝が大きいと感じます。
我が家はスポーツ一家で、運動神経が鈍い人は一人もいません。
運動会で目立つ同じ苗字はすべて親戚で占めているといった具合で走る前から勝利を約束されたかのような血筋でありました。
私も例外でなく、チビでも短距離走では他の生徒を圧倒しマラソンではいつも学年ベストスリー。
持ち前の負けず嫌いも災いして目立つ存在でした。
それが思わぬ貧乏くじを引いたのです。

中学に入ると陸上の大会があるのです。
ところが、陸上部の人数が少ないことから、他の部から強制的に借り出されるのです。
一年の時にはそんなものかと応じていましたが、駅伝にまで借り出された二年になると考えも態度も変わってきます。
どうにか免れないものか・・・所属の部活動に励むとコーチからあっちへいけとつまみ出され補修にかまけてサボっていると全校放送で呼び出しをくらう。
力の半分で走るとどやされて、テスト期間にとぼけてうちにかえると電話がかかってくる。
それはストレス以外の何ものでもありません。

さて今日のテーマは、「アシックス」なのですがこの話とどう結びつくのでしょう?
それは、そんな青春のトラウマの一ページ。
大会には学校のユニフォームが支給されるのは当然ですが、寄せあつめなので各々がスパイクも持っていません。
そこで学校から支給(レンタル)されるのが、アシックスの箱。
そこにはすでに数十年先輩たちがはき潰した靴がしまわれていて各々が試着をしてサイズが合うものを探して使用するのです。
もちろん色の好みなど言っては入られませんし、他校のそれに比べると劣化も激しいので日の丸弁当を隠して食べる戦後の子供達のように自然とコソコソします。
今考えると、あの靴も残っていればプレミア級かなと今なら笑って話せますが心のどこかにアシックスの靴とあのマークを見るとその記憶が呼び起こされるのはそれだけ当時の自分がやらされていたことと、
追い詰められていたことの現われであることに間違いありませんが当のアシックスには何の非もありません。(念のため)

■アシックスの由来

アシックスは、鬼塚喜八郎さんが1949年に神戸で興した鬼塚商会がバスケットシューズの製造販売をしたことに始まるそうです。
鬼塚さんのすごいところは、選手や監督に直接意見を聞くことでシューズを改良し、それと同時に全国を営業して歩いたことです。
1953年からマラソンシューズの開発を開始し、三年後の1956年にはオニツカタイガーがメルボルンオリンピック日本選手団用のトレーニングシューズとして正式採用され、スポーツ界での知名度が一気に上がっていきました。
社名の由来については、古代ローマの作家ユウェナリスが唱えた「健全なる精神は健全なる身体にこそ宿るべし (Mens Sana in Corpore Sano)」という言葉からきているそうです。

Mens(才知)より動的な意味を持つAnima(生命)に置き換え、その頭文字、A、S、I、C、Sを並べることで「ASICS」が誕生しました。

後の合併時に、3社の代表が集まる際に足が6本ある(人が3人)から「アシックス」(脚 six)となったという説もあるそうですが、その前に名前があったことからも全くのでたらめだそうです。
他にもアシックスの由来は「足ッ臭」だといった話もありますが、もちろん単なる駄洒落で深く語る必要もないでしょう。
ただ、最初のエピソードの私のように使いまわしのアシックスなら「足ッ臭」と呼ばれても仕方がないかもしれませんね。


[アシックス] asics GEL-QUICK33 TJA104 0990 (オレンジ/ブラック/25.5)


[アシックス] asics GEL-QUICK33 TJA104 9090 (ブラック/ブラック/26.5)





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

一言コメントする

メールアドレスは公開されません。

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)