「ミャンマー」 の由来

ミャンマーって名前の国があります。
東南アジアでありながら、その馴染みは非常に薄いです。
衣料品が作られているわけでなし、気軽に旅行に出かける国でなし、世界的に有名な人がいるわけで・・・
いや、いました。一人だけいました。

その名前は・・・アウンサン・スーチー女子。さて彼女は一体何者?
それを知る為には少し歴史をさかのぼらなければならないようです。

このミャンマー、皆さんは元の名前をご存知でしょうか?
映画好きの私にとっては馴染み深い「ビルマの竪琴」。
「オーイ、ミズシマ、イッショニ、ニッポンヘカエロウ」で有名なあの映画です。
私が見たのは中井貴一さん主演のリメイクのほうのようです。
このビルマが元の名前。

ビルマでは19世紀に、イギリスとの間に3度のビルマ戦争が起こりました。
そして植民地となりインド帝国のBurma(バーマ)州として組みこまれることとなります。
太平洋戦争中には日本軍と提携して独立しますが抗日運動が起きるのです。
軟禁されていた先ほどの世界的有名人アウンサン・スーチー女子とは、この時独立戦争を戦ったAung San(アウンサン)将軍の娘さんなのです。
見事完全独立してBurma(ビルマ)連邦共和国と称した。
ビルマについては、チベット・ビルマ語系の言語を話すビルマ族に由来するとのこと。

日本でもこの国を「ビルマ」と呼んでいましたが、1989年以降突如、マスコミの多くや政府・官公庁が、ミャンマーと呼ぶようになります。
ちなみに、ほとんどの東南アジア研究者や人権団体は「ビルマ」を使い続けているとのことです。
その理由はというと・・・

1989年にビルマ軍政(民主化運動を圧殺したクーデター勢力)が世界に向けて英語表記をBurmaからMyanmarに変更するように求めたのです。
BurmaとMyanmarは、ビルマ語のバマーとミャンマーに対応する英語であり、バマーとミャンマーの語源は同じですが、バマーはより口語的な言葉だといいます。
つまり日本でいうなら、Japan(ジャパン)をやめて国内海外ともにNippon(ニッポン)でいこうというような意味の変更なのです。
なぜそのようなことが必要であったのか?

その理由は、「バマーはビルマ民族しか表さない」とのメッセージが添えられていますが、本当の真相は、軍人達は自分たちが好む「速い」「強い」というイメージを併せ持つミャンマーに変えたかったのだ、というのが周りのおおかたの見方なのだそうです。
そういったことから現在でもそのことに納得していない日本以外の多くの国々はBurmaを使い続けているといいます。

そのような経緯で呼び名を変えた日本政府の対応は正しかったのでしょうか?
長い間使われていた日本語としての「ビルマ」を簡単に「ミャンマー」に変えてしまったのにはどのような理由があったのでしょうか。
先日この国を訪れたアメリカの指導者が、必要以上にアウンサン・スーチーさんを抱きしめている映像が世界中に流れました。
しかもその場所は彼女の自宅の中です。
この映像についてもなんらかの政治的意図を感じずにはいられません。
日本は本当にミャンマーと呼んでいていいのでしょうか?
私にはよくわかりません。


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激変ミャンマーを読み解く





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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