「成金(成り金・なりきん)」 の由来

私は正直、お金にそれほど執着していません。
全く執着していないかといえば嘘になるかもしれませんが、人より欲は少ないほうだと自負しています。

もし一億円を手にしたら何をしますか?よく酒飲み話などで出てきますよね。
私はどう答えるかというと、本当に欲しいものはそんな金額では買えないと答えます。
その本当に欲しいものというのが何かは内緒ですが、人並みに家が欲しいとか、車をたくさん買いたいとか土地が欲しいとかそういった気持ちもなく現状にそれなりに満足しています。
どうしても使わなくてはならないなら、一生分の公共料金を前払いするのは面白いかもしれません。
すべて自然エネルギーに投資するというのも面白そう。
もちろんその事業で採算があわなくても全く気にしません。

そんな私が嫌いなのがいわゆる「成金」
そのイメージもあまりよくないことから絶対に呼ばれたくない呼び名とも言えます。
でもよく調べてみると、「成金」の意味を私少しはき違えていたようです。

「成金」とは、昔は庶民や貧困層から富裕層に転じた人への賞賛の言葉とされていたといいます。
今では考えられませんね。
この意味での用法の歴史はとても古く、それは江戸時代後期。
明治維新の後には、第一次世界大戦による大戦バブル景気によって富裕層に転じた者を指して使うようになりました。
しかし第二次世界大戦後になると、それに乗じて財をなして富裕層となった者への反感が広まっていき現在では、にわかに富裕層になった者への皮肉や非難、侮蔑のニュアンスで用いられるのが通例となっているようです。
金にものを言わせて傲慢で態度が悪い人が多いことからもそれに拍車をかけているようですね。

一方で、額に汗して苦労して作り上げた事業や技術を成功させることで裕福になったいわゆる正当な勝ち組に対してもやっかみや侮蔑を込めて一絡げ(ひとからげ)に成金と呼ばれることも多くみられます。
もちろんお金を持っていることだけでもやっかまれるので、その品位については十分気をつけたいものですね。

■「成金」の由来

これについては皆さんも一度や二度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
「成金」の由来は将棋からきています。
それは一番弱い「歩」が敵陣に入ると「金将」と同じように振る舞えることからその由来はきています。
歩をいわゆる身分の低い者、その歩が急に金のような力を持つことを土地を売ったり、事業に成功して急に金持ちになった人に見立ててこのように呼ぶようになったのです。

しかし、将棋の場合で考えてみると敵陣に入るという危険を冒して突入しその成果として前に突き進むだけだったのが横によけたり後退してみたりといった当たり前の権利を得るわけです。
更に角やら飛車やらといった高飛びできる駒がある中で金になったとしてもそれはある程度の身分が保証されただけのように見えます。

子供や女性を苦しめる戦争で儲けたり、公共事業の事前情報を得て土地を転がしたり現代の成金には、人々の役に立つという大儀を軽んじた金持ちが多いように私は見えます。
そういった金持ちだからその使い方にも品位を感じないのです。
ある程度のお金を得たならその余分は人々に還元すべきではないでしょうか。
更に儲けようとしたり、更に人を陥れようとしたり節操の無い金持ちに対して我々は「成金」と陰で呼びあざ笑います。

「成金」の金は「かね」ではなくオリンピックのような名誉の「金」であって欲しいものですね。


成金


闇金ウシジマくん





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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