「派手(はで)」 の由来

食事をしていて二度見をしてしまいました。
それは私がオーダーしたすぐ後に入ってきた家族のお父さん。
お父さんにも関わらず、表はドクロの裏は桜の刺繍の入った赤のスカジャンを着ていてパンツはジーンズなんですが、これまたペンキにたくさんの刺繍入り。
髪は男性にしては長めで、前のほうだけ赤で真ん中分け。
もちろんヤンキー風にグラサンをかけていて、顔の雰囲気は・・・
誰かに似ていた誰かに似ていた・・・

もしや知り合いだったか?と思い直してみたらテレビで強烈なインパクトを残したある人物に似ていたのだと、今思い出しました。
それは「共食い」で芥川賞をとり記者会見で世間を賑わせた田中慎弥さん。
あのギョロっとした人を食うかのような眼の感じがそっくりだったのです。
まぁ風貌は関係ないのですが、とにかく男性にはあまりない強烈なインパクトを放ったその「派手」さが、普通に一人で歩いていればそれなりに目立つはずの奥様のそれを遥かに凌いでいて、派手嫌いの私でも一目置いてしまうくらいの存在感でした。

■「派手」の由来

彼のお陰で、私の中での「派手」という言葉がヨミガエリマシタ。
なんでこんな漢字書くのだろう??
「派手」の由来については諸説あるそうですが、最有力なものを。
それは三味線からくる「破手(はで)」という言葉が転じてできたものだという説です。
三味線の演奏方法でごく初期のものに三味線組唄というのがあるのだそうですが、それは古典的なものを本手(ほんで)組、細かくにぎやかなものを破手(はで)組といったように大きく分けられると言います。
その「破手」が、元禄時代から享保時代にかけて三味線用語から歌舞伎や遊里などを評価する言葉へと変化していったのです。
更に宝暦時代になると、華やかで美しいさまをあらわす言葉となります。
それより先になると、人の気質や態度の意味にも広がりを見せて一時は「粋」「風流」といった語と同等に扱われたそうですが、それよりもやや劣る言葉として落ち着いたのだそうです。
ちなみに江戸時代末期には「目立ちすぎる華やかさ」といった意味が強かったらしい。
他にも「映え」が転じたことからきたという説や「はなて」の略という説などがありますがどれも弱いようです。

「派手」の漢字については、やはり当て字だそうで、江戸や明治では「花美」とか「華美」といった漢字も当てられていました。
当て字とはいえ華や花の方が映えて見えるのは皆さんも一緒ではないでしょうか?
なぜ「派」の漢字が当てられたのかは疑問が残りますが、調べてみるとこの漢字は「傾向を表す語を作るのに重宝する」とありました。
・・・と何とかまとまるかと思いましたが全くまとまりません。

ただ、派手な人の隣だと派手にしないといられないので類は友を呼ぶということで派手は派手という派閥を自然と形成するといった結論で・・・如何でしょう?


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共喰い





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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