「割烹(かっぽう)」 の由来

1、店舗内に調理場設備が整っていて、調理師免許を持った和食専門の板前がいる。
完全個室の数寄屋造りのお座敷で、日本料理(会席・懐石)をお召し上がりいただく店の事
2、お座敷(同上)とおもてなしする者(仲居・芸妓・酌婦)が用意されていて、料理は外部の店舗をもたない出張調理専門の店 から配達してもらうシステムの店。
この二つはそれぞれどんなお店のことでしょうか?

答えは1番が「割烹」、2番が「料亭」のことです。
高級な気分にひたれる日本食を求める場合、皆さんはどちらを選びますか?
考えてみると私はどちらもそれと呼べる店にはあまり出入りしたことがありません。
あたりまえのこと書くなよ!と思われる方もいらっしゃると思いますが、ご勘弁ください。

上記を見る限りでは、割烹は料理を楽しむ場所で料亭はどちらかといえば雰囲気を楽しむ場所のように見えます。
「動」の「割烹」、「静」の「料亭」という表現も適しているかもしれませんね。
更に中に踏み込んだなら、「割烹」では、カウンター越しに料理人が刺身をひいたり魚を焼いたりするさまを目で追いながら、時には料理人たちと会話を楽しむ。
つまり活気のある雰囲気の中で食事ができる。
「料亭」では、建物のそのものや庭、床の間の掛け軸や置物、生けてある花の風情、女将の挨拶や立ち居振舞いなど、すべての要素を楽しむことができるのです。
日ごろなら割烹、冠婚葬祭など形式が必要ならやはり料亭なのでしょうか。
これからの人生により多き機会を熱望します。

そんな「割烹」の由来は?
「割烹」という語は、中国で生まれた言葉だそうです。あの孟子の書「万章上編」にも出てくるとか。
なるほど、我々にすんなりその意味の入ってこない漢字はやはり中国ですか。
しかし和食で語源が中国ってのも・・なんだかなぁ。
古くから調理のことを指して使われていたようで、「割」とは「分かつ」。
つまり、切る、割る、裂く、剥がす、削ぐ、むしる、ということを意味します。
「烹」は煮炊き。
火入れること、煮ることを意味します。
調理するということ。
「割烹」は料理の基本動作といえそうです。

料理を、味を大事にするという意味ではすばらしい言葉に思えます。
日本においては、江戸時代後期にできた高級料理店などで初めてこの言葉が用いられるようになったそうで、その後、日本料理店自体も割烹の名で呼ぶことが定着したそうですよ。
どこにいけば間違いない?本物の割烹に出会うには?
七花街と呼ばれる江戸の風情を色濃く残した盛り場が現在もあるそうです。
それは、新橋、赤坂、神楽坂、芳町、向島、浅草、柳橋、なるほど!
名前を聞いただけで粋な雰囲気が感じられますよね。
これらの場所にはまだいくつもの割烹料亭が残り、しっかりと営業をしているそうです。
いづれは・・ 行きたい!行ってみたい!




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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