「ガンダム」 の由来

男にはロマンがあります。
ロマンとは伝奇的・空想的な芸術思潮、のことであります。
本当に旅に出ることなどないのに、いつか旅立つことを夢見ています。
命など捨てる気がなくても、いつでも捨てられるものだと思い込んでいます。
人生で一番大切なのは「友情」だと語ってみたり、成功することより儚く消える夢のほうに美を感じます。
これは到底女性には理解しがたい領域かもしれません。
だから男性には共通の言葉があります。
誰もが通る道があります。
その一つが今日のテーマ「ガンダム」であります。

もちろん男性を贔屓(ひいき)するわけではないので、多少ガンダムについての説明を。
ガンダムとはアニメ『機動戦士ガンダム』におけるロボットのことであります。
放送されたのは1979年頃からです。
つまり男性の40歳以下はほぼ汚染されているといっても過言ではないでしょう。
舞台は、スペースコロニー(宇宙に作られた人工の居住地)への宇宙移民が始まって半世紀あまりが過ぎた未来世界、宇宙世紀0079年。
地球から最も遠いコロニー群サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦からの独立を求め、独立戦争を挑んできました。
つまり、地球連邦対独立軍(ジオン公国)の戦争が基本となります。
ただし、ありがちな独立軍=正義とか、絶対的にジオンが悪いといった構図はガンダムには存在しません。
一人ひとりの人間的な一面や葛藤も描かれているため、男性にどちらの誰が好きかと聞いたならそれは半々ほどに分かれることでしょう。
偶然ガンダムに乗り込みパイロットとなった主人公の少年アムロ・レイにしても、戦争という現実に直面し、閉鎖的な極限状態に悩み傷つきながらも一歩ずつ成長していくという必ずしも美しくない生身の人間が描かれており、それがかえって我々の心に響いてきます。
そんなアムロ達を迎え撃つのは、軍のエースパイロット通称「赤い彗星シャア」。
アムロの持つ影をあざ笑い主役である彼の存在を打ち消すほど軽快に飛び回るその姿は男のこうありたいという理想像かもしれません。
しかし、我々一人ひとりの現実派やはりアムロであるという現実に変わりはないのです。
感情移入がいったり来たり、そうして我々はガンダムと共に大人になってきたのかもしれません。

そんなところで本題に移らないと永遠に続きそうなのでガンダムの由来へ。
しかし、これを読んで「へぇ~私もガンダム見てみよう女子」が数名でたことは確信しております。

ガンダムの企画から由来

ガンダムの企画の根底にはなんと『宇宙戦艦ヤマト』のヒットがあったそうなのです。
『ヤマト』の関連事業は一部の熱狂的なファンを相手にした商売でありました。
「ハイターゲットに絞って、30万から40万の熱狂的なファンをつかめば、それで十分に商売になる」というヤマトからの結論から中学生以上向けのストーリーが構想されたのです。
当初の企画は「フリーダムファイター」。ここにはロボットは登場しなかったとか。
しかし、クローバーという会社(おもちゃ会社らしい)の小松志千郎社長からロボットを出すよう要求が入りました。天の声?
ロボットの名称については、元ネタであるパワードスーツのままでは訴えられる懸念があったので「モビルスーツ」となりました。
この時点での仮題は「ガンボーイ」だったそう。
これが当時人気を博したアメリカ映画『コンボイ』から「ガンボイ」に変更され、さらにチャールズ・ブロンソンがTV-CMで流行語にした
「う~ん、マンダム」から「フリーダム」のダムとかけて(銃と自由)「ガンダム」という名前が生み出されたとか。
これは我々には衝撃の事実ですね。
ガンボーイやガンボイでなくてよかった気はしますが、マンダムからかぁ、、少し複雑な心境です。

ちなみにジオン軍の中心モビルスーツ「ザク」
こちらは、雑魚からのザクではなく、足音の ザクッ、ザクッからだそうです。念のため。

更に調べてみると、その道は平坦ではなかったようです。
初回放送時の視聴率は名古屋地区で平均9.1%、関東地区で5.3%と振るわず、
スポンサーの要望により量産型の他に、いわゆる「やられメカ」を毎回出したり陰気なシャアを左遷してみたり(すぐに戦線に復帰したが、殺す予定もあったそう)、最後には全52話の予定が全43話に短縮される形で打ち切りとなりました。
ところが打ち切りが決まった直後から人気が上昇。
最終回で死ぬ予定予定であったアムロも一命を取り留めました。
こんな経緯があったのですね。今では考えられませんね。

もし途中で諦めていたら、もしアムロが死んでいたら日本のアニメの歴史は変わっていたに違いありません。
それほど「ガンダム」の影響力は18メートルのロボット以上に巨大なのです。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

一言コメントする

メールアドレスは公開されません。

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)