「海老蔵(えびぞう)」 の由来

連日報道の続いたとき、フジテレビをつけたら小倉さんが面白いことを言ってました。

「連日の報道で甲殻アレルギーの方にはご迷惑をおかけしております。」

甲殻類アレルギーとは?
エビやカニ、シャコなどの甲殻類を食べるとアナフィラキシーショックなどの症状を引き起こすことです。
特にイカやタコ、貝類に比べてエビは甲殻類アレルギーとして反応が強く出るものと言われているそうです。
食べるだけでなく、接触じんましん、粉塵の吸引による喘息なども引き起こすと言われていて、中には見ること、想像するだけでも症状を誘発する重症ケースもあるそうなんです。

小倉さんが言っているのはこのこと。
その連日の報道の主役は市川海老蔵さんであります。
もちろん事件の内容についてはここでは触れません。
ただ、襲名したというこの名前が気になります。
襲名するということは、その家にとって重要な名前である上、誇るべきことだと思うのですね。
それがなぜこれほどまでにいじられるのか。

それは、「海老蔵」さんの素行などよりも「エビ」というなんとなく可愛らしいイメージから来ている気がするのです。
そのお父さんは更に先の名前を襲名して「團十郎」こちらはなんとなく暗黙の威厳を感じます。
そんな憎めないイメージの「海老蔵」について今日は調べてみたいと思います。

歌舞伎がどれほどすごいのか??

阪神タイガースの鳥谷選手が契約更改をした席で、質問が飛んだそうです。
海老蔵さんについてどう思いますか?
「僕からは何も言える立場にないので…」
事件より以前に、阪神の選手数人が飲んでいた店にたまたま海老蔵さんが現れたそうなんです。
そこで海老蔵さんが「プロ野球選手はいくらもらっているの? オレなんか、国から60歳まで2億円もらえる」と挑発。
赤星選手を挑発して腕相撲を持ちかけてきたそう。
そこへ鳥谷選手が割って入り、腕相撲で海老蔵を“秒殺”して黙らせたという武勇伝がその質問の理由。

そのエピソードを読んで私は鳥谷選手に男を感じると共に、海老蔵さんのその発言に驚くわけです。
国からお金が貰えるんですね。
国の伝統を引き継いでいくわけですから当然といえば当然なのですが・・
そこで調べてみると、昭和40年に重要無形文化財に指定とあります。
戦後、娯楽が多様化し歌舞伎が廃れた時代がありました。
そのような社会の変動の中、昭和37年市川團十郎さんの襲名があったのだそうです。
それを景気として歌舞伎が人気を回復します。つまり團十郎さんが立役者だったと考えられるのです。
中村歌右衛門、中村雁治郎、中村勘三郎、松本幸四郎・・
それほど詳しいわけでもない私でもこの位の名前は出てきます。
勿論上下などはないのでしょうけど、そんな過去の経緯からも市川家は一目置かれていると想像できますね。

「海老蔵」の由来

では海老蔵の由来は?面白いものを見つけました。
問題形式です。
後ろは回答率。

成田山にエビを供えたところ2代目を授かったことから/28%
初代團十郎の幼名から/28%
2代目が「江戸の飾り海老」と親しまれたことから/20%
荒事の代表的な隈取「筋隈」がエビのようだから/17%
「暫」の主人公が使うかつらがエビのようだから/9%

私の予想は無難に「初代團十郎の幼名から」でした。
正解は・・

二番目「初代團十郎の幼名から」でした。見事正解!
と共に、たいした面白いエピソードがなかったことに多少がっかりですね。

成田屋(市川家屋号)の團十郎辞典によれば、この名は初代團十郎の幼名<ようみょう>で、名付親は父堀越重蔵の親友、侠客<きょうかく>の唐犬<とうけん>十右衛門とされているそうです。
五代目團十郎が息子へ六代目を譲り改名する際に、口上で「親達は名人上手で江戸の飾り海老ですが、自分はザコで蝦蔵<えびぞう>を」と謙遜<けんそん>して、この字を使っていたとか。
市川宗家にとっては、團十郎に次いで重い名だそうです。
2代目や7代目の團十郎は大変人気があったそうでで、その時は「江戸の飾り海老」と人々に親しまれたとか。
なるほど、人気が出ればこれほど愛嬌のある名前もない気がしますからね。
今回のマスコミの過剰反応もこの辺があるのでしょう。

最後にもう一つ知りたい言葉があります。
それは「梨園」です。
梨園とは、歌舞伎俳優の世界もしくは歌舞伎そのものを指すそうです。
よく結婚した女性に梨園の妻なんてテロップがつきますよね。

由来は、、唐の玄宗の初年(712年)に、唐都長安西北郊の西内苑内で、芸人達が梨が植えられている梨園と称される庭園に集められ、音楽教習府と呼ばれる施設で芸を磨いたことに始まるそうです。
近年の「常識とかけ離れた特殊社会」との解釈なら頷けますね。

ただでさえ我々俗世間との距離を感じる世界。住む世界の違いを感じます。
その距離を縮めてくれるのが以外にその親しみやすい甲殻類の名前なのかもしれません。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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