｢正露丸（せいろがん）｣ の由来

正露丸(せいろがん)の由来

高校時代英語の先生がすごかったんです。
どうすごかったかと申しますと、デカかったんです。１８０超えてました。おじいちゃんなのに。
それで白髪で坊主なんです。なんなら剃り込み入っているんです。
それでもって鼻がでかいんです。もちろん顔もでかいんです。
だから態度もでかいんです。関係ないけど自宅の近所の花火工場が爆発したんです。
知ったかぶりすると前で手を組むんです。
英語の授業のはずなんですが、脱線すると二行で一時間終わってしまうんです。
そりゃ～もう毎時間緊張で、苦痛な時間なんです。
なんせ私・・入学時のテストで英語学年びりだったので・・
最初から目をつけられていたんで。

服装・態度・成績いつも怒られていたんですが、一度だけ褒められたことがことがあるんです。
それは一生の思い出なんです。国語の問題だったんですが・・・英語の時なのに。
はっきりいって成績も悪かったから授業の内容なんてほとんど覚えてないんです。
でも唯一はっきりと覚えていることがあります。

それは・・正露丸の由来。
この腹痛には欠かせない、ありえないほどの異臭を放つ飲み薬は、
ロシア出征の時に生まれたそうなんです。おそらく日露戦争ですね。
氷点下の世界に慣れない日本人は、寒さでお腹を壊してしまったそうなんです。
そこで開発されたのが、「せいろがん」。
その効き目は皆さんご存知のとおり。そして日本は勝利をおさめます。
つまり縁の下の力持ちだったわけです。
「露西亜を征した玉」ということでセイロガンとなったという話。
そんな話を最近家族にしたら、そこの「ものいい」が付きました。

「なんでセイが征するでなく正しいなの？」
「そりゃおまえ・・・ ただでさえ難しい漢字ばかりだから字画減らすために後に省略したんだよ。」
なんて即興で、ありもしない答えで切り抜けましたが確かにこれは疑問。
白髪の剃り込みにいっぱい食わされたのだろうか？調べてみます。

正露丸の由来

「正露丸」の由来は、やはり日露戦争の露に関係するそうです。
日清戦争において不衛生な水源により日本兵は伝染病に悩まされました。
そんな中で軍医は、1903年にクレオソート剤がチフス菌に対する著明な抑制効果を持つことを発見したのです。
(ただし正露丸の元祖を自認する大幸薬品は陸軍よりも1年早い1902年に開発・販売していたと主張している）
当時の名称は「クレオソート丸」で、征露丸は俗称だったそうです。
その「征露」はやはり言葉はロシアをやっつけるという意味だそうで、当時の流行語だったとか。
(～丸については昔から薬の事こう呼んでいたということです)
また正露丸は、ラッパのマークで有名ですが、これは文字通り「進軍ラッパ」を意味します。
「ラッパのマーク」になったのは日露戦争で戦死した兵隊（木口小平）が敵の銃弾を何発受けても死ぬまで進軍ラッパを吹き続けたというエピソードから来ているそうです。
これはさすがに初耳です。

さらにテーマソングに使われているラッパのメロディーは、軍隊の「食事ラッパ」がそのまま採用されたとの事。
つまり先生が言っていたのは正しかったと言うことになりますね。
第二次世界大戦後、国際信義上「征」の字を使うことには好ましくないとの行政指導があます。
そして「正露丸」と改められました。
しかし、奈良県の日本医薬品製造株式会社だけは、現在も一貫して「征露丸」の名前で販売を続けているそうです。
私の即興は外れでした。

調べていて驚いたことがあります。
それは正露丸の安全性です。
主成分のクレオソートは極めて毒性の高い物質なのだそうです。

「通常用量の四倍量を服用して、麻痺性イレウスと腸壊死、貧血および腎不全のため手術および透析を実施した例も。正露丸は木タールより製造したクレオソートを主成分とするが、このクレオソートは、フェノール、クレゾール、グアヤコール、クレオソール（メチルグアヤコール）などを主成分とするフェノール系化合物の混合物。フェノール化合物は、高濃度では原形質毒であり、神経毒性、溶血、腎障害などを生じることは確立した事実。」

こんな言葉を拾いました。
良し悪しは皆さんのご判断にお任せいたします。

まとめ

そうそう。今日の話に出た英語の先生。自慢話も甚だしい。
「先生は昔、東大を受験したんだ。」って。
クラスのみんなは「ありゃ記念受験だな。」って影では囁いていましたがね。
だって話しながらアゴが上がってて目が自慢げに垂れてましたから。
そんな先生の授業は正露丸で腸を麻痺させなくちゃ乗り切れないほど毎時間苦痛でしたよ。