「土壇場(どたんば)」 の由来

人生にはどうにもならないギリギリの場面がいつやってくるかわかりません。
私の人生のページをめくり、いくつか紹介してみましょう。
そう、あれは中学の時の中間テストの最後の英語の日。
私には生活のリズムというものがあって、というかそれを守らないと体調を崩すタイプの人間なので、毎日同じ時間に起きては朝食をとり、用を足して学校へと向かう。
それがテスト勉強という結局は一夜漬けの自己満足に終わる机寝の為にリズムが狂わされる。
朝起きるとすでにうちを出ないと間に合わない時間。
急いで着替えて飯も食わず(用も足さず)に登校。
三時間くらい、午前くらいなら大丈夫。
そんな自己暗示もむなしく苦手の二時間目イングリッシュに悲劇が舞い降りる。
「で で でそう。」
もちろんテストどころではない。脂汗が尻の割れ目まで滴る。
いくつかの峠を越えるが、時計を見るとまだ半分。
ああああ 神様。・。・。

ケース2

あれはバスケ部の頃のお話。
県西大会の決勝。残り五分。絵に描いたような接戦。
レギュラーでも背の一番高いE君がなんと5ファールで退場。
青ざめる監督。
ベンチを見渡し替えの選手を指名。
それは6番選手ながらチームでも一番のチビであった私。
ボールを運ぶガードと呼ばれるポジションが二人いる
変則のフォーメーションに切り替える。
相手も小さいのが出てきたから気が抜けたのかノーマーク。
ボールが回ってきたのでこれ以上ないタイミングでスリーポイントショット。
自分でいうのもなんだけどこのショットの成功率はチームでも三本の指。
しかし外れる。
と、信用して送り出してくれたはずの監督から怒号がとんだ。
「お前は打たなくていいんだよ!」
なんだ。信用されてたんじゃなかったんだ。
残り一分で一点のビハンド。
今度は2ポイントのニアでフリー。躊躇った。
「打て 打て 打て!」
私をバスケット部に誘ったキャプテンのKだった。
打つしかない。頼む。
ああああ 神様。・。・。
誰でも思い返せばそんな場面「土壇場」が掘り起こされることでしょう。

土壇場の由来

土壇場とは・・ 切羽詰った場面。最後の場面。
正にケース1が切羽詰った場面。ケース2が最後の場面といえるでしょう。
しかし漢字をみると不思議と緊迫感が感じられませんよね。
不思議です。久しぶりに想像もつきません。
土壇場は、元々は文字どうりの言葉なのだそうです。
土を盛って築いた壇の場所を意味するのだそうです。
あの家を建てるときの土盛りってやつですかね。
もっと分かりやすく説明すれば相撲の土俵を想像してみてください。
江戸以前までは普通に文字どうりの意味で使われていたようです。
しかし、江戸時代になるとある使用法で状況が一変します。
それは罪人の刑を執行する際の処刑場として利用されたという事実です。
それから「土壇場」は隠語のように?「斬首刑の刑場」を意味するようになったのでした。
そこから更に「刑場」の意味が転じて、「どうにもならない場面や最後の決断を迫られる場面」の意味で使われるようになったのだそうです。
ちなみに江戸の有名な首斬人であった通称首斬り浅右衛門先生は、「たくさんの罪人の首斬りをしてきたが、土壇場に臨んで、覚悟ができている罪人は少なかった」とおっしゃられたそうです。 いやいや常人では難しいでしょう。
「土壇場」その心境は人生最後の日になぞられたわけですね。

さてさて最後に二つのケースのその後・・
シュートは決まり見事ヒーローになりました が、漏れの方はとほほでした・・・・・




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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