「鯰(なまず)」 の由来

趣味があります。釣りです。
でもあまり得意ではありません。
待つのが苦手です。細かい作業が苦手です。
魚のヌルヌルもそれほど好きではありません。
でも狩猟が好きなんです。
おそらく男の遺伝子です。
だから釣りに向かいます。
でも擬似エサが好きではありません。
邪道な気がするからです。
釣具店のミミズも好きではありません。
臭いからです。
だから自宅近くで生のミミズを採取して向かいます。
細いもの。青いもの。ありえない太さのもの。
お蔭様でお客様(お魚さん)には大変好評です。
他の人に全く当たりがなくても私だけ釣れます。
針の大きさを中途半端にするので色々釣れます。
オコゼのような数センチのものから、入れ食いのブルーギル。
もちろん手ごたえが楽しいのでブラックバスを狙います。
大物狙いの巨大ミミズを付けました。
竿を立てかけて寛いでいたら、うとうとしている間に竿が消えていました。
ウキはすでに見当たらず、竿まで水中に吸い込まれる寸前でした。
なんとか沈む前に拾い上げ持ち上げてみるとものすごい重み。
先方の移動に任せて岸を5メートルほどカニ歩き。
ぐぐっと力を入れて引き揚げると想像以上の魚影。
更に遊ばせてなんとか引き揚げると全身に滑りのあるその姿が。
なんと「なまず 鯰」でした。
正確にはアメリカ鯰。
体長40センチほどありました。

「なまず」の由来

「なまず」の「なま」は「なめくじ」の「なま」と同様で、「滑らか」を意味するそうです。
確かに考えてみればウロコもなく滑らかな魚で、尾びれ背びれは刃物のように尖っていたので滑った拍子に指を切ってしまいました。
「ず」については、沼や川の泥底に住んでいることから「泥」」や「土」を意味するそうです。
「どじょう」の「ど」も同様なのだそう。
つまり、「泥底に住む滑らかな魚」となるようです。
漢字に関しては、中国での表記は「魚」+「占(ねばりつく)で「鮎」と書きますが、これは日本では「アユ」となります。
なまずについては、「ねばる」の意味から「念」とされました。
面白いことにこの漢字「鯰」は中国でも使われているそうです。
漢字の逆輸入は今のところ初めてですね。

また、「大きな鯰が地中で暴れるために地震が起こる」という古からの言い伝えから「地震」のことを「なまず」と呼ぶことがあるそうです。
地震に鯰とは聞いたことがありましたが、地震をそのまんま鯰と呼ぶとは初耳です。
確かにあの不気味な出で立ちとぬるぬる感で水の底の泥を巻き上げる姿を想像すると、地の底から生まれる地震のイメージから遠からずも近からず。
もう暴れないでね鯰さん。
念を押しますね。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

1コメント

  1. CHOPINY - 2017年7月29日, 5:17 PM Reply

    ひょんなことから、川遊びに参加する機会があり、

    ちっちゃいなまずを網で捕まえた人がいて、

    わたしも、捕まえてみたいなぁと、思い、

    なまず、で、検索したら、

    楽しい、エッセイ、に、出会えました。

    ありがとうございました。

    生のミミズで…。

    やはり、魚たちも、美味しいものが

    わかっているのですね。

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