「赤福」 の由来

お伊勢参りって御存知ですか?
もちろん私は知っていましたが、お蔭参り(おかげまいり)と呼ぶことまでは知りませんでした。
最近話題の「パワースポット」その中でも人気を集めているのが伊勢。
今では関東などからでも2泊、3泊で往復が可能な時代となりました。
車に電車に新幹線そして飛行機で快適な旅を楽しめます。

では時は江戸、行き先は伊勢神宮。
もちろん徒歩(船、馬、籠くらいはあったかも)をシュミレーションしてみましょう。
江戸からは片道15日間、大阪からでも5日間、名古屋からでも3日間、岩手の釜石からだと100日も掛かったと言います。
それにもかかわらず数百万人規模の集団参詣が、60年周期(「おかげ年」と言う)に3回起こったというのですから当時の人口を考えると驚きですね。
またの名をお蔭参りとも呼ぶ所以は、奉公人などが主人に無断で、または子供が親に無断で参詣したことにあるそうです。
お蔭参りが更に抜け参りとも呼ばれるのはこういったところからだそうです。
抜け駆け参りってことですか。
幕藩は規制を敷いていましたが、効果は無かったといいます。
伊勢神宮参詣の名目で通行手形さえ発行してもらえば、どの道を通ってどこへ旅をしてもあまり問題はなく、参詣をすませた後に、京や大坂などの見物を楽しむ人も多かったようです。
昔は自由に出歩くことなどできなかったでしょうからね。
そういったことからも伊勢神宮参詣は多くの庶民にとって「一生に一度」の大きな夢であったと想像できます。

さて花より団子の私には気になることがあります。
それはあの赤福。
今でこそ東京駅でも買えましたが(ちょっとしたトラブルで今は買えないかも)やはり昔も名物だったのでしょうか。
いつ頃からあったのでしょう。
またお土産にはできたのか。それも素朴な疑問です。

赤福とは

もちろん皆さん御存知でしょうが、赤福とは、三重県伊勢市の和菓子屋赤福さんの商品です。
材料は砂糖、小豆、もち米などなど。
餅を漉し餡でくるんだもので、漉し餡には三つの筋が付き、五十鈴川の川の流れを表しているとされています。
これ、よく見ないと見落とすので要注意です。
創業は富士山が噴火した宝永4年ー1704年。
皇大神宮前の五十鈴川のほとりで販売されたのが最初といわれています。
やはり江戸時代でしたか。
お伊勢参りの客を見込んで始まったのでしょう。
当初は、砂糖が貴重品であったために塩味の餡であったと言います。
これは驚きですね。
はっきり言ってあんまり美味しくなさそう。
大正12年には初めての支店を二見に開店します。
ちなみにこの年は関東大震災がありました。
戦時中には一時休業しますが、昭和24年には再開。
昭和29年には株式会社赤福を設立。
昭和41年には名古屋で「赤福しるこ」を発売します。
高速道路で販売するようになったのが平成12年とのことなので、以上の歴史からも「お土産」としては日が浅いようです。
もちろん大事な大事な日持ちを考えれば、交通網が発達してるから持ち帰れるわけですが、確かに餅だから次の日は硬い。
更に、餅は傾けて持ち帰ると崩れることがあるほど非常にやわらかいのでやはりその場で食べるのが一番と言えるでしょう。

由来

その由来については、1895年(明治28年)の「神都名勝誌」において、

餡(あん)を入れた餅を大福と呼ぶ対比として、赤い餡をつけた餅であるから赤福と称したと推察したとあり、1929年(昭和4年)の『宇治山田市史』ではこの説を採用。
その他の説はこじつけであるとしています。
しかし!赤福ホームページによると、「素直に真心(赤心)を尽くして、人の幸せを自分のことのように喜びましょう(慶福)」という意味の「赤心慶福(せきしんけいふく)」に由来するとのこと。
名前の「赤」にちなんで包装も商品名のロゴも赤いが菓子自体の色は厳密には小豆色であり赤ではないと反論しているようです。

ちなみに小折箱 8個入 700円・中折箱 12個入 1,000円・大折箱 20個入 1,700円だそうです。
いつもお土産でいただくばかりで買ったことがなかったので…参考に
一粒100円ちょっとってことですね。
まとめは、、、ありがたいものはやっぱり現地に行って自分で買うことが大切ではないかといったあたりでどうでしょうか。
だって今の世の中なら日帰りも可能なのですから。
おかげおかげとありがたいのはやはり一生に一度だからじゃないでしょうか。
ああ、私の手元にまたお土産で1箱。
一人で八つは・・無理。
もったいないもったいない。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

1コメント

  1. ピカピカ - 2016年6月25日, 8:54 PM Reply

    「赤心慶福」は、誰が言ったのですか?

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