「くんち」 の由来

私は長崎に行ったことがない。
長崎といえば原爆と坂本龍馬、オランダ村くらいしか知らない。
親が旅行にいって帰ってきたのでお土産やる(土産話も込み)から来いっていわれて、特に興味もなかったが、長い話なのでいくつかは頭に残っている。
坂が多くて移動が大変だったらしい。
夏だから普通に暑かったらしい。(帰りは台風から逃げ帰った)
そして、「くんち」というお祭りがあるらしい。
焼き物とかガラスとか「らしい」土産の中に、この「くんち」の扇子があった。
なるほど異国の匂いを感じる(確かにお香の匂いも混じってた)
中国っぽい竜の人形をみんなで担ぐ姿や、御神輿が階段を駆け下りるといった光景が描かれている。
宮川大輔同様に世界の祭りに興味がある私としてはこの話には若干喰い付いたが、親とて実際に見たわけではない。
ということで調べてみた。

「くんち」とは、九州北部における秋祭りに対する呼称らしい。
収穫を感謝して奉納される祭。
現代においては御神幸よりもそれに加わるものの方がイベントとしてメインの扱いを受けており、神事としての意味合いはかなり薄れているようだ。
博多おくんち(福岡県福岡市櫛田神社)、唐津くんち(佐賀県唐津市唐津神社)と並んで長崎くんちは日本三大くんちと呼ばれている。

「長崎くんち」は、長崎県長崎市の諏訪神社の祭礼である。
10月7日から9日までの3日間催され、国の重要無形民俗文化財に指定。
諏訪神社の氏子にあたる長崎市内の各町が、演し物と呼ばれるさまざまな演目(奉納踊)を奉納する。
演し物(だしもの)は大きく分けて、踊り、曳物、担ぎ物、通り物。

「踊り」
町ごとにさまざまな種類の踊りを行う。本踊り(=本朝踊り、日本舞踊のこと)、阿蘭陀万才など。

「曳物」
下に車輪のついた山車を引き回す。ほとんどは船をモチーフとしたものであり「船」とも呼ばれる。

「担ぎ物」
大勢の担ぎ手が担ぐ演し物。龍踊、太鼓山(コッコデショ)や鯱太鼓など。

「通り物」
行列そのものに趣があるもの。大名行列、アニオーサンの行列、媽祖行列など。

ということで、なんでもござれでかなりの規模がありそう。
イベントに近いといった表現もなんとなく分かる。
長崎市にある59の町が5~7町ごと7組に分かれて年ごとに奉納する。
すなわち7年に一度当番が回ってくるということ。

大きな特徴は「龍踊(じゃおどり)」「鯨の潮吹き」「太鼓山(コッコデショ)」「阿蘭陀万才(おらんだまんざい)」など、ポルトガルやオランダ、中国など南蛮、紅毛文化の風合いが強く、独特でダイナミックである点であるが、当番町が変わるのと同様で演し物(だしもの)も毎年変わるから、行ったから必ず見れるというわけではないと父も言っていた。

「くんち」の由来

「くんち」には「宮日」「供日」という字があてられることが多い。
そこに旧暦の重陽の節句にあたる9月9日(くにち、九州北部地方の方言で「くんち」)に行ったとする「九日」が加わってそれぞれの由来説があるらしい。

■九日説

旧暦の9月9日、重陽の節句に行われた祭であることから、「九日(くんち)」という呼び名が定着したという説。
現在は参加者の都合から休日などに日程をずらして行われているくんちも多いため日程について誤解を与えないために漢字表記として「九日」は使われないらしい。

■宮日説

お宮に対して祭を行うため「宮日」ということだが、くんちの呼称が秋祭りに限られることが説明しにくいため、後から当て字として考えられたものともいわれる。

■供日説

収穫した作物を神に供える日、「供日(くにち)」から転じて「くんち」になったとする説。
漢字表記がされる場合にはこの表記が使われていることも多いが、後から当て字として考えられたものともいわれる。

ということだが、一般には九日説が有力であるらしい。
確かに祭りの日が九日だからという説には説得力があるし、私の実家でも違った祭りを同じように呼んでいたような気がする。

こう調べてみるとなんとも不思議なお祭り。
でもそれがきっと様々な国の人々が行き交い、色々な歴史を積み上げてきた長崎なのだろう。いつか行ってみよう。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

1コメント

  1. 匿名 - 2014年6月19日, 8:49 AM Reply

    あ?

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