海千山千(うみせんやません)の由来

商人て怖いですね。
私の田舎は住む地域ごとに職業が分かれていることが多くて、それを簡単に分けると、サラリーマン、農業、商人を主としてそこに公務員と自営業がちらほら混じっているって具合。
人って職業でキャラクターが決まってくるようで、(これはスタンスかもしれない)
私が知る限り、公務員はおとなしい、自営業はやっぱり自立している。
サラリーマンは従順で、農業はコツコツ真面目。
んでもって商人はというと・・ずるがしこくて信用できない。
そんな基本データを私は持ち合わせているのです。

もちろん全ての人がこれに当てはまるわけではなくて、
それぞれが「大人」だから、自分の職業、生活スタイルに合わせて保身の技を自ずと持ち合わせているのでしょう。
それが露骨に表れるのが選挙であったりするんですね。
田舎レベルだと、どこにポスターが貼ってあるなんて次元ではなくて
お互いが、ほぼ全ての家が、何党の誰を支持しているなんてことが分かってしまう。
だから選挙の前に票読みなんてことができて、それに応じて「臨機応変」にどちらにつくかを決める人がいる。
サラリーマンや自営業ではそれほど仕事に響かない限りそれほどは熱を上げないが、農家のおじさんは戦張りのしたくで時を迎える。
もちろん彼らは一本気なので浮気はしない。
問題なのが公務員。
こちらは出世に露骨に反映されるから真剣そのもの。
そして最後に残るは商人なんだけど、彼らは自分の商売が第一でとりあえず「選挙で儲ける」ことを考える。
飲食店などでは呼び込みに近いスタイルで客を確保。
更に彼らのすごいところは、どんなに儲けさせてもらっても自分が投票するときは別で、更に儲かれば昨日と今日で推薦候補が変わってきたりする。
なんとも恐ろしい人々だ・・・
でも世渡りってそんなもの?

私はコロコロ変わる人(B型に多いかな)が苦手なほうなのでそんな商人の生き方が理解できないし、しようとも思わない。
こういうのを正に海千山千ていうんだろうな。。と満面の笑みでこちらに微笑みかける豆腐屋のおばさんと面と向かいながら、心で呟くのでした。

■「海千山千」とは

自分で使いながら何となくしか意味を把握していないことに気付いた。
海千山千とは、経験を積んだことで、物事の裏表を知り尽くしてずる賢いこと、またそういった人のこと。類義語としてしたたかなど。
その由来は、「海に千年、山に住んだ蛇は竜になる」という言い伝えを人間の経験にあてはめたものなのだそうです。
言い伝えはかなり古いものと考えられますが、「海千山千」が今のように使われるようになったのは、なんと昭和になってからとその歴史は浅いそうです。
海千山千は、もちろん褒め言葉ではありませんが、「経験を積んで物事を知り尽くした」という意味では
賢者とか仙人とか確かに伝説の生物「竜」に通じるものを感じますね。
なので、この由来には納得です。
でもやはり、元の意味での「海千山千」の言い伝えは「立派な竜になる」という意味だったということはここに書き添えておきます。

先日アジアの小国ブータンの国王が来日しました。
被災地に赴き、子供たちに語りかけます。
「きみたち、竜はみたことがあるか?」
もちろん存在する生き物ではありませんが、国王は竜は心の中にいて生きていく上でその竜を大きくしていくのだと語るのでありました。
まさにこの竜が海千山千の竜のことかもしれません。
それだけ竜が高貴で偉大であることも示しているのでしょう。
私の中での「海千山千」の現在の用法は封印の方向に向かいそうです。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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