「瓦」 の由来

東日本では未だに品薄状態が続いております。
3・11の震災がその原因です。
今日は瓦について。

関東では未だ、ぐし瓦(屋根の棟の部分を覆う瓦)にブルーシートがかかった家をたくさん見かけます。
この「ぐし瓦」って言葉も本来は専門用語なのだろうけど、最近ではその使用頻度が高すぎるためか、私の周りでも「ぐし瓦」ではなく単に 「ぐし」 と略して使うことが多くて「うちも 『ぐし』 が落ちちゃってさぁ」なんて、当たり前のように聞くことが出来ます。(それだけ落ちてる家が多い)
商売の上手な人はどこにもいて、地元の瓦屋さんで間に合わないと見るや車のナンバーだけ見ても関西から四国、遠くは筑豊だから・・九州?と、随分と遠くから被災地支援なのか商売なのかわからないけど職人が押し寄せて来ているようである。

いろいろな人の話を聞いてみると、瓦が用いられているのは主に関東よりだけで、東北に行けば行くほど雪の影響なのかトタンなどに変化していくそうである。
そんな関東でも瓦屋さんが少しばっかり儲け過ぎたことと、一年待ち二年待ちとか聞かされたことで客が敬遠し、一年経った今では瓦屋根だったお家もトタンやその他の材料で仕上げている家が多いようである。
他にも、瓦は重いから余震の心配出てくることや、「ぐし瓦」などは全くの化粧でその意味が見栄意外の何ものでも無いことに人々が気付いてしまったことも客離れに拍車をかけたようである。

■「瓦」の由来

「瓦」はやはり中国で生まれた象形文字からきているようで、土器のぐねぐね曲がった形、または瓦の重ねられた形をかたどったものを表していると考えるのが妥当なようである。。
そしてその意味は粘土を固めて焼いた土器となる。
ただ、その読みがどうして「カワラ」となったかについては明らかではなく、いくつかの説が存在するようです。

一、甲冑の古語である「伽和羅」(カワラ)からきている。
一、サンスクリット語(梵語)の「カパラ」からきている。
一、亀の甲の古語である「加宇良」(コオラ)からきている。
一、屋根の皮からきている。
一、「カワラケ」(日本に古くからあった土器)からきている。

個人的には最後のほうが気になり、屋根の皮という発想が面白いのと現存する「カワラケ」(うわぐすりをかけてない素焼きの陶器、素焼きの杯のこと。)がその読みの由来としては妥当なのではないかという気がします。

一時代を担ってきた「粘土を固めて焼いた瓦」の文化も時代と共に変化しております。
最近では簡素ではありますが、スレ-トやセメント製品の瓦も登場しているようです。
注文住宅からハウジングに変わりつつある我々のライフスタイルの中で徐々に重くどっしりとしたイメージの瓦は失われつつあります。
誰かが「震災のおかげで瓦屋は十年は食っていける」と発言していましたが、その十年の後のことも考えなければなりません。
その頃に瓦文化は残っているのか?
今の現状を見ると私には若干疑問です。


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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