「板に付く」 の由来
言われてうれしい言葉、そうでもない言葉ってのはあるものですが、それは時に自己評価とタイミングの問題が関係している場合があります。
私がその例として感じた言葉は「板に付く」
経験を積んで、態度や物腰、服装などが地位や職業などにしっくり合ってくることを「板に付く」と言います。
慣れない仕事の中で、上達した証として他者からは褒められる場合に用いられることが多い言葉ででありますが自分ではすっかり一人前であると考えていたり、それなりにキャリアを積んでいる相手に対して用いた場合はどうでしょう。
相手が気分を害する場合もあるのではないでしょうか。
■「板に付く」の由来
「板に付く」はもう一つの意味である、役者が経験を積んで演技が舞台によく調和することの方からその由来がきていると言われています。
「板」は舞台の板のことを指すそうで、「つく」ことはその場に適応することを意味します。
芝居する役者が経験を積んでいくうちに、、芝居の雰囲気に馴染むことで舞台としっくり合うよう成長していく様がそこに表現されているのです。
「足が板についてしっかりとした演技ができるようになった」と解釈すれば分かりやすいことでしょう。
同じ舞台の専門用語、「板付き」という言葉からその由来が来たという説もあります。
しかしこちらは、幕があいた時には既に俳優が舞台にいるといった状況やその俳優自体を指す言葉として用いられるそうなので、言葉の意味に繋がりがないことから有力とはいえないようです。
逆に「浮(き)足立つ」という言葉を思い出しました。
こちらは不安や恐れで落ち着きを失うことや、逃げ腰になることを指す言葉です。
私は緊張しいなので、この状況が容易に想像できます。
スポーツは苦手ではないのですが、こと試合となると浮き足立ってしまうのです。
これはまさに、足が板に吸い付く状況とは逆で、体がフワッとどこかに飛んでいってしまいそうです。
もちろんギクシャクしてしまい物事が上手く運べません。
もちろん二つに関係性があるといった確証は何もありませんが、日本語とは面白いものだと感じずにはいられませんね。
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