「スピッツ(Spitz)」 の由来
見た目やスタイル、キャラクターの不釣合いというものはどこにでも誰にでもあるものです。
自分がなりたいもの、目指しているもの、憧れている人と、実際自分が持っている能力や個性、特技といったものがリンクするといったケースは逆に稀なのではないでしょうか。
由来を調べて今回そのことを痛烈に感じました。
皆さんご存知「スピッツ」というバンドがあります。
進学のために上京した4人が集まり1987年に結成されたバンドで、メンバーは福岡県福岡市出身のボーカル草野マサムネ(くさの まさむね)さん、エレクトリックギター担当で静岡県藤枝市出身の三輪テツヤ(みわ てつや)さんベース担当で静岡県藤枝市出身の田村明浩(たむら あきひろ)さんドラムスで栃木県佐野市の崎山龍男(さきやま たつお)の四人。
都内のライブハウスを中心に活動し、1991年にポリドールよりメジャーデビュー。
しかし、そのデビューまでの流れは必ずしも平坦ではなかったようです。
■「スピッツ(バンド)」の由来
彼らは高校時代にブルーハーツから影響を受けた世代でありました。
パンクバンドブームがおき、彼らの音楽性にも多大な影響を与えます。
「スピッツ」というバンド名はボーカルのマサムネさんが高校時代から付けたくてあたためていたバンド名だったのだそうです。
短くてかわいいのにパンクっぽい名前であるということから
「スピッツ」という言葉を気に入っていたことが命名の理由だといいます。
もちろんあの犬のスピッツのことも含まれており、「弱いくせによく吠える」とか「どんなに吠えてみたって結局は飼われている」といったパンクらしい自嘲的な意味も込めてつけられました。
また、スピッツにはドイツ語で「トガっている」という意味もあるといいます。
パンクバンドの名前としては確かにはまっていると言えますね。
ついでにマサムネさんはsとpが入った単語が好きなんだそうですから、「スピッツ」以外に考えられなかったのでしょう。
結成当初はブルーハーツの影響から抜け出せず、渋谷ラ・ママのブッキングマネージャーから「ブルーハーツの二番煎じでは先は望めない」と指摘され悩みます。
ちょうどマサムネさん自身もハンドマイクで暴れたり、観客をあおったりするスタイルが自分に似合わないと感じ始めていたころでした。
そうなんです。
我々が彼を客観視すると、声の質もキャラも見た目も全くパンクを彷彿させないのです。
そこのとに本人が気付いてしまったのでしょう。
そこで、音楽性を変えようとドノヴァンを意識してアコースティックギターを持つようにし、「恋のうた」や「ヒバリのこころ」などが作られ、スピッツ独自の楽曲スタイルが確立していったのでした。
自分を見つめなおすって大切なことですね。
それでも方向性を変えるというのは中々できないものです。
■「ロビンソン」の由来も
スピッツの名曲に誰もが知る「ロビンソン」があります。
シングル版ではスピッツ自身最大のセールスとなり、初のミリオンセラーを記録した作品です。
この名曲「ロビンソン(Robinson)」のタイトルはなんと!
マサムネさんがタイを旅行したときにあった、ロビンソン百貨店から命名したものなのだそうです。
もともとは仮題だったものがスタッフから好評だったために正式名称になったと、、
当初はカップリングの「俺のすべて」がA面になる予定でしたが、エンジニアの宮島哲博さんをはじめ、他のスタッフから好評だったため「ロビンソン」をA面になったという経緯があるそうです。
こうしてみると草野マサムネさんて、能力はもちろんあるのでしょうが、計画性があるのかないのか、先見の明があるのかないのか、自己分析が上手なのか下手なのか、あのビジュアルでパンクバンドを目指していたという話しそのまま本当に未知数で不思議でつかみどころの無い存在ですが、もしかしたらそれが魅力なのかもしれませんね。
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