「印税」 の由来

深夜番組で、「ギャグ一つで稼いだけどパッと出で終わった芸人さんたち」を集めて話を聞くって番組をやっていました。
例えばゲッツとかルネッサーンスとか、ハードゲイとかほんと懐かしい人ばかり。
その人たちの話を聞く側に、「~ざんねぇん!」の波田陽区さんがいたのも個人的には若干驚いたのですが、それ以上にびっくりしたのが、売れていたときの彼らの月収。

500とか700とか全て万ですよ。
普通のサラリーマンなら年収に近い額。
現在でも家賃20万のマンションにいまだ住んでいるというからどんだけ儲かるんだろうと世間の人は考えてしまう。
また、時期も悪い。
最近売れっ子芸人の親族が生活保護を受け取っているという話が出たばかりだしね。

確かに何時どうなるか分からない職種であることは間違いなく、ローンを組めないとか保証人が必要になるとか安定しない収入によるデメリットはたくさんあるのだろうけど、それは本人が選んだ道であって、社会にはなんの責任もないはずだ。
親族が食えないなら面倒を見るというのは私に言わせれば当然な話で、どんな理由があったとしても、「今は受け取らなくても大丈夫。」という選択肢もあるわけだから私はその件に対して芸人側の言い分に同情的にはなれない。
もちろんこれは個人の意見であるからあしからず。

話を戻して・・・高給をとっていた芸人達。
数字が出るたびに言い訳や突込みででてくるのが「印税」という言葉。
印税(いんぜい)とは、出版物や楽曲など著作物の著作者・著作権者に対し、出版社やレコード会社などの利用者が利用実績に応じて、著作者や著作権者に支払う対価のこと。

著作権使用料のことで、芸人の作品(一発ギャグ)に対する権利みたいなものだってことは最近は素人でも知っている。
CDとか本とか着メロとか知らず知らずに入ってくる。
それが半端ないらしい。
若手芸人の人生を狂わす原因かもしれないけど、それはまた別の機会の話で。

ところでこの言葉、いただける物なのになぜ「税」なのか?
ずっとその言葉が不思議だった。

■「印税」の由来

我々は「印税」と言えば金持ちな作家やアーティストを連想しませんか。
ですが実際には本を出せば、CDを売れば通常誰でも「印税」は貰えるものだそう。
今より少し前の本には最後の方に書名や出版社名などが書かれており、そこに「検印省略」と書かれているものあった。
この「検印省略」が由来に大切な関係が有るのだ。
この検印が「印税」の由来になっているらしい。

元々はここに作者が一冊ずつ検印を押していたのだが、さすがに発行数が多いと手間がかかるため現在では省略されている。
だから出版社から著作権者への報酬は、本の発行数に応じて何パーセントかが支払われることになっている。
本来は、検印の数(発行数)に応じて支払われることが、《出版社から見ると税金に似ている》という観点から、「検印」を収入印紙(税)に見立てて「印税」という言葉が作られたってこと。
ということで、実際には税金とは無関係ということになる。

ちなみに、本の著者に対する印税率は、発行数やジャンルなどに応じて個々に決められているそうだが、通常5~10パーセントぐらいらしい。
日本では1886年小宮山天香さんが鳳文館と「慨世史談・断楕奇縁(エルクマン・シャトリアン著マダム・テレーズの翻訳)」の出版時が最初の印税契約とされているとのこと。
以外に昔ですね。

そのときはやはり、著作権者が書籍の奥付に押印した印紙を貼り、発行部数の証拠としていたようだ。
検印紙を貼る印税方式は明治から昭和40年代中ごろまで続いたわけだけど、今では省かれている。
一冊一冊にそんなものを貼っていたら大変なことになりそうだけど、それだけ思い入れがあるならそのくらいはやったほうがいいという考え方もある。
タダでさえ活字離れや、デジタル書籍が進んでいるのだからなおのこと丁寧に扱うという逆の発想があってもいい気がする。
もちろん現在の印税は本の収益だけではないからそんなことを言っても仕方が無い。
いつまでもそんな思い出にとらわれているのは、消費者よりもむしろギャグを生み出した生産者の側かもしれないのだけれど。


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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