「メダカ」 の由来

ものすごく恐そうなおじさんの、可愛らしい趣味を見つけたときってなんだか昔から探していた宝箱が偶然見つかったときの感覚に似ている気がするのは私が変わり者だからだろうか?
よくある光景でヤクザの親分を想像して欲しい。
そんな組織のトップといえば・・・やはり鯉である。(あくまですべて想像である)
一等地のご自宅の広い敷地に、羨ましいほど大きな池を持ちそこには様々な色、柄の錦鯉が悠々と飼い主の生き方そのままに泳いでいるというのは想像に易しいが、もしそこにいたのが「メダカ」であったならどうだろう。
小さな小さなメダカを大切に大切に育て、なんならその繁殖に全精力を傾ける。
それに近い姿を私は見てしまった。

ぶっちょうずらで頑固者、もちろん愛想も全然ない土建屋の親方のお宅に招かれたらそんな光景が目の前に広がっていた。
遠かったはずの距離が一気に近づいた(気がして)、今考えたら恐れ知らずのぶっきらぼうな言葉で一匹くれよって伝えたら、「いいよ。もってきなぁ~。」なんて見たことないやさしい目で言われたから、その辺にあった一番高級そうな器に入れて、半ば盗むかのように持ち帰ってきた。
いや~ほんと驚いた。
うちに帰って我に返ってよく考えてみたらこの可愛いはずのメダカが、組長の娘を嫁に貰ったみたいな不思議な緊張感をもたらした。
大事にしないとね。。。

■「メダカ」の由来

漢字では「目高」と書き、高い位置に目があるように見えることからその名前が付いたのだそう。
地方によっては、メダカを食べると目が出るとか、良くなるとか様々な俗信があるんだって。
しかし、それらもすべてその高い位置にあるように見えるこの特徴的な目からきているらしい。
そうか、目玉がクリクリしてるから余計に可愛いんだねって今頃気がついた。
メダカは日本各地に広く分布し、身近にあって親しまれてきたのは周知の事実。
(最近はその数が急激に減っているらしいけど)
その為、昔からから全国での名前の統一はされてこなかったんだって。
これらのことは、各地で独立の方言名を発生させるには極めて有効な条件だそうで、メダカの方言名は世界中の魚類で最も数が多いとされている貴重な存在らしい。
その筋で有名な、辛川十歩さんは4680の方言名を日本全国から調査収集しました。
途方も無い作業ですね。
短いものではメ・ウキというものから、長いものではオキンチョコバイ・カンカンビイチャコといった大変個性的なものもあるらしい。
一方で理科教育や図鑑の流通によって、そのような方言名が生き延びる可能性も少なくなっているのが現状。是非残していって欲しいものですね。

そんな長い前ふりをしておいてなんですが、先日興味深い新聞記事を見つけた。
近畿大学は和歌山出身で近大大学院農学研究科博士課程3年の朝井俊亘さん(33)が、これまで1種と考えられていた国内のメダカが2種類いることを証明したと発表。
これまでは、日本に生息するメダカは分子遺伝学的には青森県から京都府の日本海側に分布する「北日本集団」と、そのほかの地域の「南日本集団」に大別できることが分かっていたそうだが、形態的特徴で分析する実証がなく、学術的には「オリジアス・ラティペス」1種と考えられていた。それが覆されたのだ。

・・・名前はたくさんあるのに、種類は一種類だったんだ・・・
やっと二種類に・・・。
なんだか不思議なメダカのお話でした。

メダカの飼い方と増やし方がわかる本

かわいいメダカの本―飼い方と素敵な水草レイアウト、ビオトープの作り方




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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