Photo By Holly Clark
ヒトデの由来
物事の見方を変えるだけで、素晴らしく思えることって世の中にはたくさんあるはずだ。
海釣りに出かけたのだが思うように狙う魚が釣れない。
海には邪道と呼ばれる獲物がいくつかあるらしい。
単純に、煮ても焼ても食えない魚や、その大きさの割に食べられる部位が少ないとかほんと、人間本位の考え方なわけだが。
堤防で釣りをして、いちばんかかるのが実は「フグ」。
その愛くるしさは説明の必要もなく、自宅で手軽に買えるものなら重宝するだろう。
以前、UFOキャッチャーで手に入れた小さなフグが可愛くて、だいぶテコ入れしたのだが10日ほどしか生きなかったという苦い思い出がある。
水槽、エサ、海水・・・あんなに投資したのに。
あの顔に泳ぎ方に、怒るとふくれる姿、実に興味深い。
だが、釣り場ではそんな好待遇は期待できない。
食えない魚は外すのすら億劫。海に戻されることもなく足元で干からびた死骸が散乱する。
更にがっかりさせられるのは「ヒトデ」。
動きもそれほどなく、もちろん食べられない。
常人には「釣れる」という意味が理解できないだろうが、エサに絡みつき「釣れる」のである。
このガッカリは釣った人にしかわからないだろう。
■「ヒトデ」の由来
漁師語であるというのは、きっと獲物を期待して引き上げたときの漁師さんたちのがっかり感からきているのではなかろうか。
そんな「ヒトデ」、漢字で「人手」と書くと、誤解も生じやすいのでカタカナ表記が無難である。
しかし、そこに深く興味を示すと面白い事実が存在することに気付いた。
当て字ではあるが、複数の夢ある漢字が存在したのだ。
「海星」 「海盤車」 「海燕」 「星魚」
海はもちろんだが、「星」の漢字に注目してみよう。
それはもちろん「ヒトデ」のその特徴的な形からきているわけだがその発想はどうやら諸外国からきているらしい。
ヒトデは英語ではstarfish(星の魚)あるいはseastar(海の星)、フランス語ではétoiledemer(海の星)、ドイツ語ではSeesterne(海の星)といったように多くの言語で星にちなんだ名がつけられている。
どれもロマンチックだ。
漁師の目的と、プライベートビーチの思惑の違いであるわけだが物事とは見方を変えれば非常に魅力的であるという、いい見本となる話だろう。
最近のコメント