「コンバイン」 の由来

機械ってそれぞれ、その機能や便利さ効率、問題点・・・たくさんあると思うのですが実際に自分で動かしてみないとそういったことのすべては理解できないものです。

私が驚いたのは、農業の機械コンバイン。

コンバインてのは、農作物特にイネやムギを収穫するための農業機械であることは皆さんも一度は耳にしたことがあると思う。
旧来、稲刈りは鎌による手刈りやバインダーと呼ばれる刈取り専用の農業機械で行い、
その後脱穀機やハーベスターで脱穀するという二度手間方式であったがコンバインはその一連の収穫作業を一台の機械で行えるようにしたもの。
こうみると、かなりの優れもののように見えるがよくみると作りは単純。
刈る、脱穀する、ワラを解体する、ワラを吐き出す、米を吐き出すといったいわゆる単純作業が凝縮されているだけ。
しかし、その作業効率といったらおそら人間数百人分に匹敵するほど。

とにかく早い早い。
とここまでは見て考えること。
そしてこれからは聞いて考えたことと、やって思ったこと。
埃がすごい。
これは仕方がないんだけど、とにかく現場はそうとう埃っぽい。
作業も手荒であるせいか、素人だとマスクに眼鏡くらいしないとやってられない。
その為なのか(もちろん年に一度しか使わないからでもあるが)故障が多い。
修理のために機械屋に電話するが、来てもらう時間は暑い中を待たされ効率がよいぶんなお更その待たされる時間は何も出来ないからモドカシイ。

そしてこれが一番驚いた。
コンバインはお値段が異常に高い。
安いものでも数百万。
高いものだと一千万もするのだとか。
この最上級品だと、ビジュアルはまさに戦車のようで、とても農業機械とは思えない。
その値段を知ると、一般的に見栄っ張りだといわれている専業農家の家庭がクラウンクラスの車なら軽トラの感覚で乗ってしまうというお話も妙に納得させられる。
数千万で一月乗らない機械より、いつでも乗れるクラウンは安いものらしい。

■「コンバイン」の由来

先ほども書いたように、稲刈りは鎌による手刈り以外にバインダーという機械を用いていた歴史があったそうだ。
私も体験する際にその機械を目にした。
刈ってくくって倒すという作業を時速7キロ程度(早歩きくらい)でこなす。
その名前がきっとコンバインにも関係しているのだろうと予想したが全く的外れであったようだ。

「コンバイン(英語)Combine 兼ね備える、合わせる」という意味からきているのだそう。

その兼ね備えている、合わせているという二つというのは「刈り取り」と「脱穀」のこと。
稲刈機能と脱穀機能を兼ね備えているからコンバインなのだそう。

■コンバインの色々

コンバインにも様々なグレードや形式がある。
そのうち気になった二つを紹介しよう。
まずは刈り取りから。

現在市販されているコンバインには、2条刈りから7条刈りまであり、例外として普通型コンバインに組み合わされる10条刈りの刈り取り部もあるらしい。
このことは作業効率を表し、2条よりの方が4条の方が作業効率は倍となる。
条だから分かりづらい。
つまり一度に何列刈れるかという話。

二列しか刈れない機械だと往復して四列だけど、一度に四列まで刈れれば片道ですむ。
私が体験したのは2条だったので、隣の大型機械が羨ましくなった。
こちらが午前一杯かかった広さを大型機械は昼休みの間に終えてしまう。
でもあの機械は値段もフェアレディーZクラスだから仕方がないのだ。
こちらはフィットクラスなのだから。

もう一つ、これは運搬方法。
昔は袋詰式が主流だったらしい。
ポリエチレンなどの丈夫な化学繊維を編んだ、チャックで封をすることが出来るコンバイン袋、又は籾袋と呼ばれる袋に籾を詰める方式。
一袋の容量は約50リットルほど。
籾が詰められるとおよそ30kg程になる。
農家の高齢化の為に、近年は敬遠されている方式。
私はこの作業を任されたのだが、非常に苦しかった。
暑い中30キロをあっちに運びこっちに運び。二度度やりたくはない。

もうひとつは、グレンタンク式。
グレンタンクは、コンバインの大きさに合わせて、250リットルから2,000リットルの容量がある。
6条刈りだと2,000リットルのグレンタンク。
これだと籾袋では約40袋に相当する。
つまりコンバインに溜め込みあとで吐き出すってわけ。

タンクに貯められた籾は、ラセンを使って籾を搬送するアンローダやオーガと呼ばれる排出装置によって、バラ籾を運搬する籾コンテナやフレコン、或いはダンプトラックに排出されます。
つまり全てが機械式なので、人力での運ぶ手間が要らないということ。
タンクが大きければ大きいほど連続して刈り取りを続けることができるので作業能率が向上するってわけ。
ただしそれなりの設備投資が必要。

そうして、農業に携わって感じたことがある。本当に採算が合うのだろうか?
米の袋30キロは農協の買い取り価格で6000円前後~だって聞かされた。
あの重さを半年かけて収穫して運んで、あれだけ高い機械を購入して暑い中埃だらけになって・・・
本当にやっていけるのだろうか?本当に不思議な世界だ。


コンバイン―刈取り・脱穀・選別をいっきに (シリーズはたらく農業機械)


No.066 ヤンマー コンバイン AJ218 (箱)





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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