「メロドラマ」 の由来
メロドラマ(melodrama)とは、扇情的かつ情緒的風合いの濃厚な悲劇に似たドラマの形式のこと。
まぁ要は恋愛をテーマとした、感傷的・通俗的な劇・映画・テレビやドラマのこと。
となると現代のドラマにおいては恋愛の絡まないものは皆無に等しいので、そのほとんどがメロドラマとなるかもしれない。
悲劇との決定的な違いは、人物の行動から人生や人間性について深く考えさせるというよりは、衝撃的な展開を次々に提示することで観客の情緒に直接訴えかけることを目的としていること。
季節ごとに放映されるテレビドラマなどは、まさにそれで視聴率を取るという目的にもそれは合致しており自然と人々が見たがるメロドラマ仕立てになるのはうなずけるところである。
だが一方では、扇情的ではあるもののドラマの中身が薄くなるといったデメリットもあるのでドラマ通や見慣れてくると眼も当てられないといったものも多く存在し、最近ではスポンサーにも示しがつかないためか打ち切り措置を受けるものも出始めている。
そのためか、メロドラマというその語そのものがが侮蔑的に用いられることもあるようだ。
■「メロドラマ」の由来
メロドラマのメロは、恋愛の展開に「メロメロするから」といった親父ギャグからきているものではなく、歌を意味するギリシャ語の「melos メロス」からきているのだそうだ。ドラマも劇を意味するギリシャ語の「drama」から。
日本のメロドラマについては、これが直接はいってきたわけではなく、英語のmelodrama経由と考えられる。
その英語のmelodramaもフランス語のmelodrame(メロドラム)から。
1775年頃、J.J.ルソーが人物の出入りに音楽の伴奏が入る形式の劇をそう呼んだことが最初といわれている。
つまり劇の内容のことよりも、演出や劇形式を指していたというのが最初なわけ。
言葉を見てもわかるようにメロはどうやらメロディからきている。メロディとドラマの混成語が、メロドラマという語を生み出したのだ。
ギリシャ語の「melos メロス」が歌を意味することからも、その用途は決して間違えていない。
それが19世紀になると、イギリスを中心にヨーロッパやアメリカで演劇のスタイルそのものを指す言葉に変化していったのだ。
現在では演劇だけでなく文学や映画、テレビドラマ用いられるようになっている。
音楽的要素がいつしか衰退し、今日のように大衆受けのする感傷的な作品のことをさすようになった。
言葉とは時間と場所を変えると劇的に変化を遂げる代表例と言っても過言ではないかもしれない。
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