「L’Arc~en~Ciel(ラルク・アン・シエル)」 の由来

このきれいな名前のバンドにはほろ苦い思い出がある。
大学時代に喫茶店でバイトをしていた。
その時の店長の娘が大のラルク好き。
私はその時までただのヴィジュアル系バンドとしか認識していなかったラルク・アン・シエルに大変驚かされた。

当時の私のバイト代が確か800円程度だった。
店長の一人娘は確か高1くらいでよく手伝いにきていた。
話はいつもラルクのことばかり。
全く興味はなかったのだが店長の手前適当に話を合わせていた。

彼女はラルクのためにバイトしていた。
まぁいるだけでほとんど遊んでいたわけだけど。
ライブに行き本を買いグッズを買占めCDを聴き・・・まぁそれこそすべてをラルクに注いでいたわけ。

ある時、チケットがいくらするかって話になった。
もちろん定価は数千円(限りなく一万に近い数字)なんだけど、ダフ屋価格をきいておったまげた。
その時彼女が手にして太陽に透かすようにかざして見ていたチケットは良席でその価格は10万円以上。
彼女はその日をただ待ち焦がれているだけで、自慢するわけでもなくかざして少年のような目で眺めていた。
さて隣でそのチケットを見せびらかされているおっさん大学生は目の前のそれが万馬券にしか見えない。
ちょうどそのころ競馬を覚えて水道橋やら新宿やらのJRAに通っていた不良おっさんは万馬券てのを夢見ていたわけ。
これが万馬券かぁ~と憧れの視線でその決して手の届かない紙切れを見上げたものだった。
売っちゃったほうがいいんじゃないかと邪な心をまだ大人に成りかけの少女に持ちかけたが彼女の心は決して揺らぐことがなかったのを今でもよく覚えている。

さてそれから数ヵ月後、他のバイト仲間から嫌な話を聞かされた。
それは彼女が私から言い寄られたといったデマを流しているというものだった。
今考えれば全く大人気ない話だが、どうにも腹の虫がおさまらなかったのでタンカを切ってその日でバイトはやめた。
ただ、デマの件は導火線についた火の役割を果たしただけなのだ。

前述のとおり彼女はほとんど仕事をしなかったのだ。
バイト中もほとんどイヤホンだし、客が来ても水すら出さない。
仕事の負担の全てが私にきていて、終わりの頃はラルクに貢いでいるのは俺なのか?と自問自答を繰り返していた。
なんだか全てが理不尽な気がして結局その店を後にした。
もちろんこの話においてL’Arc~en~Ciel さんにはなんお落ち度もないことは一言だけそえておく。

■「L’Arc~en~Ciel 」の由来

ラルク アン シエルはその綴りでもわかるようにフランス語からきています。意味は「空の橋」とか「虹」。
このグループ名の決定までにはいくつかの説があるのだそう。
一番有力なのは地元である大阪梅田の地下街にある喫茶店の名前からとったというもの。
その名前をtetsuyaが気に入りそこから取ったと言います。
しかしその説に対して当のtetsuyaさんから物言いがつきました。
その説は誤りだそうで、正確には当時本屋などで資料を探していた時にたまたまこの言葉を見つけ、
見た目や響き、そして様々な色を表現する「虹」であることが「音楽」の表現と共通していると感じたためこの名前をつけたのだとのこと。
長くて覚えにくいけど、ローマ字表記にしたらインパクトがあると思ったのも決定打になったようです。

さて一つのエピソードを紹介致しましょう。
時は1999年、場所はNHK、番組はポップジャム。L’Arc~en~Ciel のメンバーが収録に参加しました。
L’Arc~en~Cielは2曲演奏する予定でしたが、1曲演奏が終了時点でメンバーがステージを去るという事件が起きました。
原因は当時番組のMCを務めていたお笑いコンビ爆笑問題のメンバーに対する発言から。
でもそれは何のことはない、ただ「ヴィジュアル系」と呼んだというものでありました。

しかしその発言が一人のメンバーの機嫌を損ねたのです。
tetsuyaさん曰く
「ヴィジュアル系というのは人を見た目で判断する差別用語。音楽のジャンルではなく、楽曲をきちんと聴いてもらっていない証拠。」
なんかこんな書き方だとL’Arc~en~Ciel にはtetsuyaさんしかいないみたいな。。。

もちろんそんなことはありません。
ただ、きっとtetsuyaさんは色んなことに拘る方なのでしょうね。

他にも驚きのエピソードを見つけました。
アルバムのレコーディングを行い完成直前までこぎつけたもの全曲をボツにしアルバムを発売しなかったことがあるのだそうです。
理由は 「出来映えが気に入らなかったから」
もちろん見た目とかは大事なんだけどもちろんその筋の通し方ってのがやはり男らしくて不器用に見えきっとかっこいいのでしょうね。
だから「ヴィジュアル系」に甘んじることは許されないのです。

あれから数十年経つけど店長の娘は未だ熱狂的ファンなのだろうか。
もちろんそんなことはないだろうけど、今も好きだといいな。
今は、今だから素直にそう思う。
今度そのバイト先に寄ってみようと思う。


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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