「でっちあげ」 の由来
でっちあげとは事実でないことを本当らしく作り上げること。
また、捏造することを言います。
捏造の由来については土に水などを加えて練る意味の「捏ねる(こねる)」からきているのだそう。
つまり捏造とは、「土をこねて形を造る」ことを意味していました。
そこから形だけをつくるという意味に発展し、「無から有を生ずる」という意味に、更に無いことをあるかのように作り上げることを意味するようになったそうです。
以前旧石器捏造事件(きゅうせっき ねつぞう じけん)というものがありました。
まだ記憶に新しいところです。
これは考古学研究家の藤村新一さんが次々に発掘した、石器時代の遺物や遺跡だとされていたものが、全て捏造だったことが発覚した事件。
これって教科書の中身も変わるような大きな問題です。
たった一人の功績のために歴史が歪められたのです。
よくよく考えてみれば土器など土をこねて形を造ったわけだから、これって正に*捏造*だったというわけで、、、
なんだか素直に笑えない落語のオチみたいなお話。
■「でっちあげ」の由来
さて今日の本題である「でっちあげ」についても、実は捏造の「捏」が関係しています。
「捏」は、呉音で「ねつ」、漢音で「でつ」と読むそうでその「捏(でつ)」の読みが動詞化されることで「捏ち上げる(でっちあげる)」となり、「でっちあげ」が生まれたと言われています。
「でっち」という音から江戸時代から第二次世界大戦終結まで行われた商店主育成制度である丁稚(でっち)と関連つけられて、それなりの説が存在するそうですが、それは全くの俗説。
根拠は何もないそうです。
嘘をつくのはやはりよくないことです。
「捏」の字を見ると驚くべきことに気づきます。
てへんに、「日」と「土」まさに手が悪さをして捏造しているかのようです。
昔から日本にはお天道様が見ているから嘘をつけないという言葉があります。
これは誰が見ていなくても空の上から太陽が見ているから嘘をついても見つかるよといった意味です。
ところが捏造はそのお天道様を利用して悪さをするのです。
とんでもないことですね。
いつの時代もいくつになっても生まれ変わっても、自分に嘘をつくようなことはしたくないものです。
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