「チノン株式会社」 の由来
一度消えた会社が息を吹き返すというのはあまり聞いたことがない気がする。
カメラのチノンという会社をご存じだろうか?
1962年に創業された株式会社チノン。
事業の中心であった株式会社チノンの分割に伴い、1995年以降「チノン」商標の新製品は途絶えたのだという。
なるほど、だからカメラに関心を持ったのが最近である私のような人間が知らなかったわけですね。
しかし「チノン」を愛するユーザーと、諦めきれない関係者により復活を遂げたのだ。
2008年から新規商品の日本国内市場への投入を再開し2014年、待望の新デジタルビデオカメラ「Bellami HD-1」を販売するのだそう。
これからの展開が大いに期待される。
■「チノン株式会社」の概要
長野県諏訪郡宮川村出身の茅野弘さんは1948年に守屋精治さん、木村正浩さんとともに「三信製作所」を創業する。
その後その会社を母体としてチノン株式会社は誕生した。
会社名については、正確な記述は見当たらないが茅野さんの苗字からきたと考えるのが妥当そうである。
キャノンを意識したかどうかについては不明。
当初は受注の確保に苦しんだそうで、社長自身の土地を売却して従業員に給料を支払っていたという話もあるらしい。
なかなかできることではありませんね。
独自技術によるズームレンズ開発を手がけたことで次第に評価を高め、1960年には自社ブランド「チノン」による8mmシネカメラ用ズームレンズの製造販売を開始。
この時代に生きていた人々はきっとチノンを懐かしく思うのでしょうね。
■「チノン株式会社」の由来
そして1973年、商標と同じ「チノン株式会社」が生まれる。
しかし1980年代になるとビデオの普及とともに、長年販売の主軸だった8mmシネカメラ分野が衰退をたどる。
1993年には業績悪化から150人の希望退職を募ることに。
そして経営再建のため1887年、コダック傘下に入ることが決定。
時代に翻弄された感はいがめないが、単一の商品に頼った経営方針は誤りだったと思われる。
しかし、チノンは復活を遂げた。
長野県諏訪市を本拠地として不死鳥のように蘇ったのだ。
全盛当時を懐かしむ人もいるだろう。
私のように新ブランドとして興味を持つ人もいるだろう。
製品第一で今後の飛躍を大いに期待したいものである。
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