「ワカサギ」 の由来
どうせ釣るなら美味しい魚、食べられる魚がよい。
そんな都合のいい客が釣具店に押しかけたら店員も困ってしまうだろう。
そこは客もしたたかで、今の時期は何が釣れるのかなんて質問から始める。
知識はないからベテランは装えない。
海まで行く気もなければ大きい魚を釣る自信もない。
だけど・・・食べたい。
その一心だけは揺るぐことはない。
色々問答をするうちにある程度の照準が定まった。ワカサギだ。
美味しいというのは言うまでもなく、なんとなくイメージでたくさん釣れそう。
そして、これも大事。コスパつまりは竿や仕掛けの経費も安い。決めたワカサギだ。
■「ワカサギ」の由来
ところで私にはワカサギの知識がほとんどない。
これでは釣れたものがワカサギかも判別がつかない。一通り調べてから旅に出ることにした。
分布域は、太平洋側は千葉県より北、日本海側では島根県より北の北日本を中心とした地域。
水質が悪い状況や低水温や塩分に対して広い適応力があるのでその生息は海から湖から川から多岐にわたる。
成魚の全長は15cmほどになる。
体は細長く、各ひれは小さい。背びれの後ろには小さなあぶらびれがある。
また、背びれは腹びれより少しだけ後ろについていることで近縁種のチカと区別できるというのだが・・・
いくつかの魚の写真を見比べても私には判別がまったくつかない。
こんなことで大丈夫だろうか?さらにワカサギにはたくさんの名前があるらしい。
アマサギ、オオワカ、コワカ、サイカチ、サギ、シラサギ、シロイオ、メソグリ・・・・
覚えきれない。
漢字では「公魚」と書くという。これには深~~い歴史がある。
常陸国麻生藩が時の将軍徳川家斉に霞ヶ浦のワカサギを年貢として納めていたというのだ。
公儀御用魚という誉から公魚とついたというわけ。それほど美味しいという証拠なのであろう。
そして「ワカサギの」の由来については、「ワク」は発生するという意味の「わく(沸く)」から「サギ」は多いことを意味する「ザクザク」と同意義の言葉からきているのだという。
つまり、群れてたくさん発生するといった意味で間違いないだろう。
釣具店もそんなようなことを言ってた気がする。
勝手にこの由来に確信を見るのだが、他にも夏に飛ぶ鳥の「アマサギ」に色が似ており、冬にもいることからワカサギとなったという説や体が弱弱しいことから「若」、小魚であることから「サギ」といった説もあるらしい。
そして私は釣りに出かけた。
店員に言われた通り、釣る人の群れに飛び込み群生するワカサギを狙う。
隣のおじさんがどんどん釣り上げる。
仕掛けは私が購入したものに似ている。条件はそれほど変わらない。
すぐさま糸を垂れ見よう見まねでチャレンジ。
・・・釣れない。
少しポイントを移るとほどなく釣れ出した。
10センチにも満たないきれいな魚。なんだか嬉しいし何より面白い。
数時間で20匹ほど釣れた。少し自慢げに近くを通った地元のおじさんの冷やかしに応える。
が、次の瞬間凍り付いた。「あぁ こりゃクチボソだな。」
どうやら違う魚で更に釣り人からは雑魚扱いの魚らしい。
もちろん食べられない。
・・・今日はまとめる ・・・言葉もない。
最近のコメント