「近畿日本ツーリスト」 の由来
最近なんだかよく目にする、クラブツーリズムという文字とあの独特の人形が躍るようなロゴマーク。
どうやらその手法は、従来の店舗営業型の旅行業とは一線を画すらしい。
新聞広告や会員情報誌で旅行商品を提供して電話やインターネットで申し込みを受け付ける、いわゆるダイレクトマーケティングと呼ばれるものだ。
そのターゲットも明確で、主に中高年向けの国内外ツアー。
そういったやり方なので人件費が大きく削減でき、旅の質の向上が図れる、そう考えてよいのだろうか。
会員情報誌「旅の友」を発刊し、旅行者を募るそうだがその配布を行う「エコースタッフ」と呼ばれる独自の配達員も実はクラブツーリズムの会員。
顧客が情報誌を周辺の顧客に配るというユニークなシステム。会員は一万人に迫る勢いだとか。
まとめると、旅行だけに留まらない会員組織化を進めているのが他社との違いであり大きな特徴。
ここには狙いがあるようで、組織化された会員による口コミを反映させるというものだ。
こういったビジネスモデル、その歴史は意外に古く1980年に発足した近畿日本ツーリストの渋谷営業所内ダイレクトマーケティング事業部門がその前身なのだという。
私が驚いたのは、こういったやり方を作り上げたのが「近畿日本ツーリスト」という大手であったことだ。
「近畿日本ツーリスト」から生まれた後に近畿日本ツーリスト社長、クラブツーリズム会長となる高橋秀夫さんは1970年代盛岡営業所の所長であった。
そこでクラブを作り顧客同士の交流を深めることに成功し、それをモデルにベンチャービジネスであるダイレクトマーケティング事業の設立に取り組む。
その成功により1993年に会社設立後、近畿日本ツーリストがクラブツーリズム事業を分離。
設立当初は近畿日本ツーリストの完全子会社であったが、事業譲渡に伴い近畿日本ツーリストの親会社である近鉄や投資ファンドの出資を得たため持ち株比率は大幅に下がり子会社ではなくなる。
2008年、近鉄が株式の大半を投資ファンドより引継ぎ、クラブツーリズムは同社の子会社となった。
さらに2013年近畿日本ツーリストと株式交換により同社を親会社とする経営統合が行われ現在に至る。
その名前の由来については1996年に出されたクラブツーリズム宣言というものからきているらしい。
東京メディア販売事業本部は、その名称から「東京」という文字も取って、「クラブツーリズム事業本部」として生まれ変わったのだ。
翌年出された「お客様中心主義宣言」というものがその方針と考えて間違いないだろう。
■「近畿日本ツーリスト」の由来
近畿日本ツーリストは昭和30年、大阪の「近畿日本航空観光」と東京の「日本ツーリスト」が合併してうまれたのだそう。
海外旅行の「ホリデイ」、国内旅行の「メイト」など、ツアーさまざまなツアーブランドを展開している。
その関西での強さは目を見張るものがある。関東に住む私はそれほど利用したことはないのだがクラブツーリズムを通してその認知度、利用度は高まる予感。
実はそのためのクラブツーリズムなのかもしれないなと最近は思う。
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