「殺陣(たて)」 の由来
漢字の意味もさることながら、読みについてもいまいち理解できない。
そう、フィットしていない。
小学校の漢字テストで意味も通らず「そう読むものだから」とひたすら暗記させられるものがある。
例えば「境内」みたいな存在。他にもあげたいところだが、昔からこういったお題目が苦手な私にはそこまで。
言われてみれば地名に多くありがちな「ありえない読み」。
沖縄や北海道に多いのはもちろん先住民の名残だろうと考えられる。
さて前置きが長くなったが、今日は「殺陣(たて)」。
一般ピープルは間違いなく「さつじん」と読むことだろう。
■「殺陣(たて)」の由来
演劇や映画で斬り合いや捕り物の場面の立ち回りの演技のこと、また、その演技を振り付けることを「たて」と呼ぶ。
たての由来については、目立つようにする意味の「立てる」の名詞形「立て」からきているという説、「太刀打ち」の「太刀」が変化したとする説などがあるが、歌舞伎で「立ち回り」を略した「立ち」からと考えるのが妥当とのこと。
問題はその漢字「殺陣」。
そこにはあるエピソードが隠されていた。
新国劇の座長であった沢田正二郎さんが公演の演目を決める時に冗談で「殺人」として座付きの作家・行友李風に相談したところ、さすがにそれでは・・・ということで「陣」という字を当てることになったのが最初
ちなみにこの演目は1921年に初めて演じられたが、その時はまだ「さつじん」と読んでいたらしい。
「殺陣(たて)」となったのは1936年、その沢田さんの七回忌記念公演にて。
「殺陣田村」として演じられた時から「たて」と読まれるようになったのだそう。
なるほど、「殺人」回避の「殺陣(たて)」なわけですが毎日毎日テレビで残酷なニュースのオンパレードの現代では、そこを濁す理由もないような気がします。
陰でこそこそするくらいなら、面と向かって切り合う方が健康的と思われるのは私自身も感覚が鈍っているからに他なりません。
最近のコメント