「ギプス」 の由来

野球よりもサッカーの好きな私はよく海外サッカーを見ます。
イギリスのプレミアリーグを観戦するのですが、このリーグは世界最高峰で各国の代表クラスがしのぎを削ります。
アフリカから南米、アジアに至るまで肌の色も言語も違う選手達。
文化の違いをテレビを通して感じるわけですが、特に面白いのは名前。

例えばブラジルのカカ選手。
以前はイタリアでプレーしていたのですが、そのイタリアではカカは「糞(うんち)」を意味します。
最近気になるのはマンチェスターユナイテッドのギグス選手。
30代後半ながらいまだ現役で、以前は同僚だったべッカム選手と人気を二分していました。
そんな彼の名前は、「ギッグス」とも読めるようですがこれがどうも日本人である私には発音しにくい。
これも文化の違いなのでしょうか。

更にややこしいことに、ライバルチームには「ギプス」という選手がいます。
これがまたいいづらい。
あの骨折したときに巻くあれ?はギブスでしたっけ?
私はあれが苦手です。
過去に大きな事故ををやりまして、一月ほど体につけていたときがありました。
重いし暑いし体が洗えないから痒いし、白いから汚れが目立つし取るとき怖いし・・・
小さい自分でしたが全くいい思い出がありません。
今思えば自分がつけたあとに周りでは高校時代の体育の時間にオーバーへッドを失敗したS君くらいしかつけてるのを見たことが無かったのでけっこうな重傷だったのですね。
何が言いたいかといえば例えイギリスではオシャレな名前であったとしても日本では間違いなくNGですってこと。

■ギプスの由来

患部が動かないよう外から固定・保護し安静を保つ為に用いられる包帯材料もしくは包帯法の略称。
日本ではギ*ブ*スと呼ばれることが多いですが、これは日本人にとって発音しやすいためと考えられます。
ということで、正式名称が「ギプス」。
日本語のギプスの語源は、やはり海外からで、Gips(オランダ語・石膏の意)でだそうです。

1852年のイギリス・オランダ戦争においてオランダの軍医であったアントニウス・マタイセンさんが戦場で負傷した兵士をいち早く搬送するためい、患部を石膏を含んだ巻軸帯で固めたのが始まりとされています。
「固定する」という意味では現在と一緒ですが、その理由は「搬送」だったのですね。
日本においては従来看護師らが巻軸包帯に石膏をまぶして作成する家内手工業的なものでしたが、1955年に国産初の石膏ギプスを東京衛材研究所(現アルケア株式会社)が市販開始し普及しました。
現在では技術開発が進み、ガラス繊維製の基布に水硬性ポリウレタン樹脂を浸含させたガラス繊維キャスティングテープが主流となっているそうで、石膏ギプスは義肢装具の採型用として使われる程度となりつつあるそうです。
私は貴重な体験をしたのですね。
二度とゴメンですが・・・

ところであれってどう外すの?って考える人は多いはず。
私自身もけっこう前の話で詳しくは覚えてない。(でもちょっと怖かった記憶)
ので調べてみたら、取り外す時はブレードを振動させてギプスを切る「ギプスカッター」や「ギプス刀」などを使用するのだそうです。
思い出しました。
しかも私の場合は上半身であったため、目のまえで行われたので、とてつもなく怖かった記憶が残っているんです。
でも実は・・ギプスカッターは振動による摩擦で堅い物を切るものなので、皮膚などの柔らかいものはまず切れないのだそうです。
それなら最初に説明してくださいよ。
更に最近は先ほど説明したガラス繊維製ギプスの普及してきたので、超音波を用いたカッターも登場しているのだそう。
このカッターは騒音も少ないので、患者の恐怖心を抑えるのにも効果絶大とか。
随分進化したのですね。
それでもやはり見た目はよくないですよね。
まぁ固定するためですから仕方が無いです。

最初に紹介した「ギプス」選手ですが、確かイングランド人。てことはやっぱり石膏って名前なんでしょうかね?
サッカー選手は骨折も多いし「ギプス」が「ギプス」みたいなことも・・・
でもよくよく考えるとそういう名前って多い気がします。
ってことは・・外人さんはそんなこと気にしないんですかね。
それとも日本の「柿」と「夏季」「牡蠣」みたいに発音が違うのでしょうか。
こんど誰かに聞いてみましょう。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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