「帝王切開(ていおうせっかい)」 の由来
耳で聞いた聞き慣れない言葉の意味を勝手に誤解したこと皆さんはありませんか?
先日、友人が那須の「ひでんかこうぼう」へ行くという話をしていました。
私は、那須という場所もあって、「妃殿下工房」という漢字を頭の中であててしまったので、きっと妃殿下のご趣味や研究成果などを展示してある博物館のような場所なのかと想像してしまいました。
話をよく聞くと全くの勘違いで、漢字は「非電化工房」と書き発展途上国などで活躍していた発明家が、電気を使わない生活例えば冷蔵庫や、エアコンのいらない家などを紹介・販売している施設なのだそうでとんだ笑い話となりました。
同様に昔から気になっていたのは「ていおうせっかい」。
こちらはお腹を切って胎児を取り出す手術法ということは皆さんも(経験のないかたでも)ご存知のことでしょう。
どんな漢字かご存知ですか?
「帝王切開」と書くんですよね。これは想像どうりでありながら腑に落ちないという別パターンのケースです。
先ほどの話をもう一度持ち出してみたなら、「妃殿下切開」とか「皇后切開」のほうがしっくりくるし、なんなら「低温切開」でもいいのではないかと勝手なことを言い出してみたりもします。(牛乳の殺菌じゃないんだよって・・)
どちらにしても「帝王」という言葉は考えられないわけですよ。
ほんとなぜ「帝王切開」なんだろう?
■「帝王切開」の由来
「帝王切開」は、ラテン語では「sectio caesarea」英語では「cesarean section」ドイツ語では「Kaiserschnitt」と書きます。
日本語の「帝王切開」については、caesarea、cesarean、Kaiserを「帝王」と訳したものだと言われており、その中でも最有力と思われているのは、「Kaiserカイザー」を皇帝、「schnitt」を切開と間違って訳してしまったためというものです。(間違いと言うか直訳なのか?)
他にも「sectio caesarea」をドイツ語に訳するときに「caesarea」を「ガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)」と間違えてしまったと言う説や(Kaiserカエサルもcaesarも切るという意味をもつことから)そのカエサルが帝王切開で生まれたからとする説、(古代ローマでの帝王切開では、ほぼ100%母親は死亡していたと言われるがカエサルの母親が出産後も生きていた事実があるので?)などがあるようです。
いずれにしてもカエサルが由来に関係しているのは間違いなさそうですね。
さて、そのカエサルさんについて調べるうちに面白い由来が出てきました。
そもそも「皇帝」の由来がカエサルから来ているというものです。
これらをまとめると、つまり「Kaiser」はカエサルから来ており、さらに「切る」といった意味を持ち合わせる単語の綴りに似ているということです。
なんともややこしい関係ですね。
だから「帝王切開」は本当は「カエサル切開」なのかもしれません。
古代ローマの将軍と「腹きり」はどこで関係していたのでしょうか。
お産の時間です。―帝王切開と自然分娩どこまで知っていますか?
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