「インスリン」 の由来
我々は長い人生の中でたくさんの病気にかかります。
そんな患者さんたちを身近で見守る看護婦さんたちに話を聞いた時、絶対になりたくない病気は糖尿病であるという意見がたくさんあったそうです。
理由はいくつかあるそうですが、やはり食べたいものを食べられないというのが第一でしょう。
確かに病院のベッドの監禁状態になった己の姿を想像すると、楽しみと言えば・・・
テレビやラジオに読書・・・くらいしか思い当たるものがなく、せめて美味しいもの好きなもの食べたいものくらいは贅沢したいというもの。
そこに制約がかかっては多くの苦痛を伴うことでしょう。
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高い状態をさします。
血糖値が高いと言ってもその自覚症状は様々だそうで無症状の人もいれば、著しいのどの渇きや大量の尿を排泄する状態を伴う人、さらには意識障害、昏睡に至るまで様々であるらしい。
■「インスリン」の由来
そして糖尿病とえば、思い出す言葉はインスリン。
インスリン(insulin)とは、膵臓に存在するランゲルハンス島(膵島)のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンの一種のことを言うそうです。
最初に発見されたときにランゲルハンス島から分泌されたホルモンということからそのような名前になったと言います。
このランゲルハンス島とは、ラテン語では”insula”と言うことから、insulaがinsullinとなったというわけ。
さてこのランゲルハンス島というのは、南国のバカンスに適した島の名前のことではなく動物の臓器の一つである膵臓の中でグルカゴンを分泌するα細胞(A細胞)、血糖量を低下させるホルモンであるインスリンを分泌するβ細胞(B細胞)、ソマトスタチンを分泌するδ細胞(D細胞)および膵ポリペプチドを分泌するPP細胞およびグレリンを分泌するε細胞の5種の細胞からなる細胞塊のこと。
このように塊がいくつか存在することから「島」と名づけられたと考えられます。
このインスリン、私はインシュリンと記憶していたのですが実は両方とも正解なのだそう。
英語「insulin」のつづりのsuをシュと読むかスと読むかの違い。
イギリスの人はシュって発音し、アメリカの人はスと発音することが多いそうです。
学術用語でとしては「インスリン」に統一されたそうですが、お医者さんによっては未だに「インシュリン」と呼ぶ人もいるのだとか。
私もブリティッシュ派なのでこのまま「インシュリン」でいこうと思います。
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