「お勝手(おかって)」 の由来
「勝手にしやがれ」というセリフがあります。
沢田研二の曲で・・すみませんそっちじゃないです。
私の脳裏に浮かんでくるのは、セックス・ピストルズのアルバム「勝手にしやがれ」の方。、
四曲入っているのですが、
01. ホリデイズ・イン・ザ・サン
02. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
03. アナーキー・イン・ザ・UK
04. プリティ・ヴェイカント
とどれをとっても素晴らしい四曲。
訳はこちら。
⇒アルバム『勝手しにやがれ!!』から4曲を抜粋して訳したもの
セックス・ピストルズ (Sex Pistols) といえば、イギリスのパンク・ロックバンド。
1970年代後半のロンドン・パンク・ムーヴメントを代表するバンドで、世界のポップ・ミュージックで初めて、自国の王室や政府や大手企業を名指しで攻撃したことが有名な代表的なパンクバンド。
由来メモを見ていただければ御理解いただけますように、私の精神的支柱であります。
だから私はあまりにも乱れた世の中の現状をひっくり返したいと妄想したときに心の中で「勝手にしやがれ」と叫ぶのでした。
勝手とは・・・
1、他人のことはかまわないで、自分だけに都合がよいように振る舞うこと。
2、何かするときの物事のぐあいのよしあし。都合や便利のよいこと。
これが一般的な解釈ですね。
なにをしても成果は上がらず、さじを投げたときに我々は「勝手」となるのです。
そんな無法地帯(アナーキー)な考え方であるはずの「勝手」がもう一つ不思議な意味を持つことに気づきました。
それが今日取り上げる「お勝手」つまり台所です。
「勝手に」に「お」を付ける発想はどこからきたのでしょうか?
■「お勝手」の由来
どうやら「勝手」は名詞としての役割をいくつか持っているようです。
1、台所。「―仕事」
2、暮らし向き。生計。「―が苦しい」
3、自分がかかわる物事のようす・事情。
4、弓の弦を引くほうの手。右手。左手より力が勝ちやすいからいう。引き手。
どうやらその一つの意味である「台所」の「お勝手も」の由来もそのほかの意味に関係しているようで、例えば4番め。
弓道では、右手を勝手、左手を押し手と呼ぶのだそうです。
押し手は弓をしっかりと支えるため自由が利きませんが、勝手(右手)はその名のとおり自由に使えます。
女性には自由があまりなかった時代に、唯一、女性が自由にふるまえる場所・・・
それが台所→自由→勝手→お勝手となったという説です。
続いて2番。
「勝手」という言葉の持つ「生計」とか「家計」、「暮らしむき」という意味から。
それらを任された女性の居場所になぞらえて、「お勝手」と。
台所の出入り口も「お勝手口」と言われてきましたね。
正式の客が出入りする玄関に対して、酒屋、洗濯屋などの「御用聞き」が出入りする入り口であったからと言われます。
女性が勝手にできる空間というよりは、「家計」、「暮らし向き」に直結する出入り口であるからこそ「お勝手(口)」と呼ばれるようになったという説。
こうみると「お」がついてるのがイヂらしいですが・・
また他にも、「お勝手」は食べ物をあらわす「糧(かて)」からきているという説もあるとか。
ん、これも捨てがたいですね。
言われてみれば「台所」は女性の空間。男性は入ることをあまり許されませんでした。
しかし現代は家事も男女間で分担する時代。
失われつつあるこの表現もいづれは消えてなくなるかもしれませんね。
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