「御殿まり(ごてんまり)」 の由来

ごてんまりってご存知でしょうか?
私は最近まで知りませんでした。
漢字では「御殿まり」と書きます。
最近では「まり」などと言ってもおそらく小学生あたりでは??って顔をされてしまうのではないでしょうか。
まぁつまりは「ボール」なわけです。
大きさは直径8cm~30cm程度まで様々で、土台となる丸いものに(最近では発砲スチロールなどもあるらしい)絹糸で模様をかがり、吊りひもや房飾りなどをつけて飾り物に仕立てたもののことです。
模様は幾何学模様や、梅、菊、麻などの花や植物の文様などが主です。

私がなぜ知ることになったかと言えば祖母が作っていたからです。
「ぼけ封じにになるから」と笑いながら作るその作品の細かさといったら・・・とても真似はできませんし、するつもりもありません。
先生について製作していたそうですが、その先生は肝心要の製作テクニックを教えてくれない。
業を煮やしたうちのおばぁちゃんは、捨て台詞を吐いて辞めてしまったのでした。
しかし、まりへの情熱を捨てずにコツコツ続けていたらしいのです。
独学で。それがお雛様を飾る町おこしに見初められて日の目を見ることになったのでした。
すると出てくるは出てくるはその作品数は100近い。
たまたまその先生も目にして声をかけてきたらしいけどうちの祖母は頑固だからシカトしたらしい。笑
まぁ兎に角根気の要る作業。
たまたま旅していた場所でふと目にしたらなんだかそんな話を思い出した。
だからその由来を調べてみようと思ったのであります。

「御殿まり」の由来
「ごてんまり」は、広く「てまり」と言われ、日本古来の伝統美を持つ手芸品であります。
手まりの歴史は古く、貞応2年(1223年)に手鞠会が盛んに催されたという記録があり、もともと遊び道具として用いられたのが始まりのようです。
「ごてんまり」と言われるようになったのは、江戸時代中頃に藩邸の奥女中たちが姫君のために手まりづくりの技を競い合っていた頃からのようです。
大奥がまり作りを競うドラマとかあったら面白そうですね。
それが次第に民間に伝わっていったのでした。
手まりづくりが盛んに行われたのは、綿の栽培が普及し木綿糸がたやすく手に入れられるようになったためと考えられます。
江戸時代後期には、手まりは蛤殻を木くずで包み、さらに真綿で包んでから色糸で巻いて仕上げたという記録が残っているそうです。

ここに、中身の不思議ですね。
今は簡易物は発砲スチロールですが・・・
今でも盛んに作られているのは主に山形県鶴岡市、秋田県由利本荘市なのだそうです。
本荘においては「ごてんまりコンクール」があるとか。
ここでピンときたわけです。
この二つの土地、実は私が旅したルートそのまんまなのです。
ああ、なるほど。立ち寄らなくても名産として目に触れていたのです。
それで上記のような記憶を呼び起こしながらドライブしていたのです。
更に納得させられます。東北を旅して感じたのは、どこもその仕事が細かいということ。
これは私の憶測ですが、雪深い都市では内職が発達するのではないでしょうか。
どのお土産も手が込んでいて繊細でその仕事は真似が出来ない。
だからいつの間にかお土産が一杯になってしまうんです。
でもよく考えて見るとその仕事を自力で真似た祖母は・・・
只者じゃないな。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

2コメント

  1. 北山 - 2012年1月23日, 11:28 AM Reply

    私の家にもありましたが名前も知らず秋田に住んでいて恥かしかったです。

  2. hide - 2012年1月23日, 2:53 PM Reply

    コメントありがとうございます。
    身近にあるものほど、中々その本質に辿り着けない場合はとても多いと思います。
    私もまだまだ何も知らずに生きております。
    気になることや、このサイトにはまだない由来物などありましたら、是非ご教授下さい。

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