「ベニヤ板」 の由来

「昔はベニヤ板なんか家には使わなかったんだけどな。」

昔ながらで物事を考える人はそう思うのだろう。
最近、大手のハウジングメーカーが建てる家の前を通ったとき、助手席にいた私と倍ほど歳の離れた先輩が、誰に告げるでもなく呟いた。
確かにベニヤ板ってのは応急処置ってイメージが私にもあったからあんな材料で家を建てられてても今の人は分からないし、気にもならないのかなって私も心の中で呟いた。
ただ話の中で、合板とかコンパネって言葉も出てきて、その違いや括りが私には分からないから調べてみた。

合板(ごうはん)とは薄く切った単板を、繊維方向を90°、互い違いに重ねて熱圧接着した木質ボードのこと。
そのような加工法なので、厚さやサイズが豊富。
また、あらゆる方向からの力に対して高い抵抗力を発揮するらしい。
重ねて貼り付けた材料のほうが、一本の木より強度が高いということらしいけどそれも高精度を誇る接着剤があってのことなのだろう。
無垢板と比較すると価格が安いが、接着剤を含有するので燃焼時に黒煙がでる。

日本では、合板をベニヤ板(ベニヤいた)と呼ぶことが多いらしい。
先輩もそのような話しっぷりだった。
本来ベニヤとは木材を薄く切ったもののことを言うのだそうだが、現在は強度か何かの関係で合板のこともベニヤというらしい。(後でそのことについても説明する)

ベニヤと合板はどう違うのかって話になると、合板はベニヤの一種と考えるのが適切。
また、コンパネというものも先輩は同じようなくくりで話してたんだけど、これはコンクリートの型枠に用いられるコンクリート型枠用合板のこと。
合板=コンパネと誤解されているケース多いようだが、全ての合板を「コンパネ」と総称するのは完全な誤り。

■ベニヤ板の由来

コンパネはコンクリートパネル、合板は合わせた板というのは納得だけど、ベニヤ板は何でベニヤという名前なのか?イタリア辺りの都市?
それは、英語の「veneer 」から来ているのだそう。
「veneer 」とは「化粧張りをする」「うわべを飾る」といった意味。
確かに「ve・neer」を調べてみると、他にも突板(つきいた)、化粧板 、表面仕上げ、見せかけ、虚飾とある。

本来ベニヤ (veneer) とは、単板を意味する。
やはり合板とは別で、英語でも合板はplywoodと言うらしい。
この二つが同じであるとご認識されたのは1912年のあることから。
範多商会という店ががロシアから合板を輸入した際に、ベニア板と呼んだことが広まったためらしい。

「化粧」とは、うわべの見せかけをよくすること。
女性には怒られそうだが「メイクアップ」には「でっちあげ」といった意味もあるとか。
綺麗には見えるかもしれないけど、それは見せかけであり本当の姿は隠されたまま。
見た目も大事だが、耐久度も求められる家作りにおいてはやはりベニヤ板は似合わないのかもしれない。
もちろん「メイクアップ」同様に塗りなおすことも前提として飾られているものなのかもしれないが。


1枚の板から作る楽しい!合板木工―週末1日で作る簡単木工作例マニュアル (Gakken Mook DIY SERIES)


ベニヤ板(普通合板)600×900mm 厚み5.5mm  JIS F☆☆☆☆合板【正規品】(いくつ注文しても送料全国一律525円)





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

一言コメントする

メールアドレスは公開されません。

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)