「でんぐり返し」 の由来
森 光子さんがお亡くなりになりました。
「日本のお母さん」の異名を取り、時間ですよシリーズでは下町の銭湯のおかみさん役が当たり役として話題になりました。
勲三等瑞宝章、国民栄誉賞などをはじめその功績は多大であり、その経歴をみわたすと、どこから紹介していいか迷うほどです。
本名は村上 美津(むらかみ みつ)さんとのことですが、森光子という芸名については寛寿郎さんの母(伯母となる)から、女優の森静子と伯母の旧姓・森端にちなんで「森」、本名の美津より「光子」となったのだそうです。
しかし、今日の由来はここではありません。
森光子さんの代表作として必ずテレビなどで流される放浪記からであります。
この舞台で森さんががよくやっていた「でんぐり返し」が今日のお題です。
名物といわれるほどその光景は有名で、皆さんもご存知のことでしょう。
90を越えてもなおこなしていたのですから大変驚きです。
森さんはこの役ついて「舞台で死んでも、この役を渡したくない」と、並々ならぬ思い入れを語っていたのだそう。
■「でんぐり返し」の由来
でんぐり返しは「でんぐり」と「返し」に分けて考えるのがよさそうです。
「でんでんむし」からだろうといった意見が多く見られますが、その考え方では?が残ります。
「でん」が円をあらわす理由が必要そうです。
それについてはいくつかの説が見つかりました。
まず、「回転」や「転回」のてん・転が変化して「でん」になったのではないかという説。
しかし、これでは濁音になる理由が見当たらないので個人的には弱い気がします。
次は「でんぐり」が「転繰る」からきているのではないかという説。
でんぐり返しが「転んで、くるりとひっくり返る」という意味からすれば妥当な気もしますね。
そして最後は、昔あった紙細工からきているという説。
「でんぐり」という紙を折り重ねて積層した紙細工があったのだそうです。
古来より世界中にあるようで、日本には江戸時代頃に入ってきたとのこと。
でもでんぐり返って形状をなすことから「でんぐり」と呼ばれるようになったとの説もあるとか・・
そうなると、どちらが先だろうといった考えも沸き起こりますのでやはり確定情報とはいえないようですね。
「でんぐりがえし」の「でんぐり」って何だろうと考えてきましたが、同様に「ひっくりかえる」という言葉もあります。
「ひっくり」・・・「くり」が共通するのです!
そうか大事なのはもしかしたら「くり」のほうなのか・・・ますます分からなくなりますね。
さて森 光子さんを追悼する気持ちで久しぶりにでんぐり返しをやってみました。
ドす~~ん。
丸まらない背中からベタッと落ちて何とか回ったものの起き上がることもできずに数分うなることになりました。
腰も痛めたようです。
私は森さんの半分も歳がいっていないのです。
継続のためにたくさんのトレーニングを絶やすことなく取り組んでいたことでしょう。
たかが「でんぐり返し」と考えていた自分を恥じるのでした。
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