仮病の由来

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「仮病」 の由来

私は我慢強い方ですが、一度だけ仮病を使ったことがあります。
それは中学校の部活動の時。
県内でも強豪と呼ばれる学校でバレーボールをしていたので、その練習といえば、まさに地獄。
走り込みは陸上部以上、コーチは校外からの特別指導員で、夏の暑い時期でも水分補給なしは当たり前、筋トレは毎日5セット以上、それが強さを保つためと言えば当たり前なのだろうけど、やらされることの苦手な私には毎日が苦痛でありました。

そんな毎日の中で、どうにも精神的苦痛が限界に感じたその日、コーチに恐る恐る腹痛と頭痛の仮病を使ったのです。
しかし、早く帰れたのはよかったものの、皆勤賞を毎年とるほど嘘のつけなかった私は、罪悪感でその日はほとんど眠れませんでした。
結果、次の日は目の下にクマをつくり、逆に心配される始末。
その時以来、仮病=自分に嘘をつくということはやめることにしましたとさ。

仮病の由来

仮病とは、病気ではないのに病気のふりをすること。

ではなぜ、「仮」の漢字なのでしょうか。
どちらかといえば「偽病」の漢字の方が適切な気もしますし、読みも「か」でなく「け」なのも気になるところ。
「仮の病」と書くと、どうにも腑に落ちないものです。

「仮」を辞書で調べてみると、正式なものに代えて間に合わせに行う物事の意味が第一、本当のもの、本来のものでないことという意味が二つ目にある。
なるほど、「仮面」や「仮装」と並べてみると「仮病」もしかりか。

まとめると、「仮」には「一時の間に合わせ」等の他にも、「いつわり・にせ・にせもの・うそ」といった意味もあるわけ。

ここから先は目から鱗。
詐病(さびょう)というものをご存じだろうか?

これは経済的または社会的な利益の享受などを目的として、病気であるかのように偽る詐偽行為のこと。
仮病と詐病とではニュアンスが異なる。

仮病は、欠席の理由付けなど、その場しのぎに行うものをいうことが多いが、詐病は実利を目的とするものをいうことが多く、どちらかというと虚偽性障害(きょぎせいしょうがい)に近いという。
簡単に区別するなら詐病(さびょう)は犯罪性が強いようだ。

ふむ。これは必然的に生まれた気がしますね。

仮病の上を行く詐病。
この言葉を知り、やっと仮病を受け入れることができた気がします。

最後に一つ釘を刺しておきますが、詐病・仮病という名称は、いずれも偽る行為をさす名称であります。
ただ、これら自体は病名ではありませんので悪しからず。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

1コメント

  1. 名無し - 2016年4月24日, 8:31 AM Reply

    はじめまして。
    二十歳の頃「腰痛などの仮病で生活保護を手配しましょか」と、
    自民の議員事務所に言われたのが気になって、
    仮病の世間の認識とか定義を検索してる者です。

    緊急性の低い病は研究費を出すよりも、
    仮病と生活保護で問題を先送りする方が安つくそうです。

    あの頃は「仮病=悪」と思ってたので断りましたが、無収入は辛いです。

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