Photo By 相撲 2014年 10月号
「注文相撲(ちゅうもんずもう)」 の由来
昨日の相撲でのお話。
やらせ問題もあって……いや私は元からそれほど興味はないか。
それほど興味も無い相撲ですが、今日のネットでのニュース記事が気になった。
大関把瑠都が唯一の全勝を守っていた。
外国人力士のせいもあって館内はブーイングの嵐。
そして、この日の対戦相手は同じ大関の人気者”稀勢の里”。
横綱白鵬の出番の前だが、間違いなくこの日の一番の注目の取り組みだ。
時間いっぱい。
館内は全ての目が二人に注がれていたことだろう。
そんな緊張感はコンマ何秒かでため息へと変わった。
立ち合い一瞬のはたき込みで把瑠都が勝利したのだ。
場内は珍しく「帰れ!」コールの連呼。(ちょっと生で見たかった)
過去のデータもそれに拍車をかけたのだろう。
対稀勢の里、過去17勝3敗で現在6連勝中。
取り組みの後、把瑠都は「体が勝手に反応した。見に来たファンの皆さんに申し訳ない」と謝罪したそうだ。
”注文相撲”
新聞、各種メディアにはこの文字が躍った。
注文相撲とは?
相撲で、有利な体勢に持ち込むために工夫した技を打つこと。
他方では、有利な体勢にもち込むために、成り行きではなく特に策を用いた相撲のこと。
立会いの変化であっという間に勝負がついてしまった。
解説者も含めて「真っ向勝負」を期待していただけに、「勝負にこだわった」相撲が不満に感じたのだろう。
ただ、猪突猛進する側も、それを読んで変化する側もお互いに相手の心理を読みあってハイリスクハイリターンに賭けているわけで、お互い様とも言えなくもない。
「横綱だから、大関だから変化はいかん」という意見も理解できる。
しかし今回は大関同士の取り組みなわけだ。
ただ、観客はお金を払っている以上、元を取れるだけの相撲を期待するのも理解できる。
私自身もそうだ。
「注文相撲」の由来
「注文相撲」とは、いわゆる立ち合いの変化のこと。
ここでの変化とは真っ直ぐに突進しないという意味と考えられ、こうした戦法を用いた相撲を注文相撲といいます。
「注文」とは作戦を意味します。
立ち会いの後、相手にぶつかりに行くのではなく、体を右、あるいは左に変化させて、突進してくる相手の勢いを利用して倒す。
奇襲作戦、心理作戦の一種。
「立ち合いに変わる」とか、「立ち合いに注文をつける」という言い方からその由来はきていると思われます。
相撲用語つまり業界用語の一つのようです。
相撲用語については下記参照
「知って得する大相撲用語集」
もちろん相撲好きには当たり前なのでしょうけど、私は初めて聞いた気がする。
メディアで当たり前のように使われるのも「国技」だからなのだろう。
同時進行で、東幕下15枚目の元学生横綱の佐久間山(23)という力士がいる。
2011年名古屋場所での序ノ口デビューから負けなしの27連勝。
板井(元小結)と並んでいた史上1位記録を更新したんだって。
佐久間山が33年ぶりに記録を塗り替えた。
「ここまで平常心で来られた。あと1番も気持ちを切らさずに。早く場所が終わって、いい報告がしたい」
と全勝優勝へ気を引き締めた。
この日の取り組みについて立ち合いで出遅れる。
安芸乃川に突かれ、押されたが、相手を受け止めてもろ差しになると、佐久間山が勢いのまま一気に押し出し。
「昔からプレッシャーを力に変えてきた」
高校、大学時代はいつも、5人ずつの団体戦で大将の立場。
2対2の五分勝負の場合では最後のトリを務め、チームを勝利に導いてきた。
「それが今の精神力に結びついている」と本人は語る。
この佐久間山の取り組みを見たんだけど、確かに凄かった。
全身全霊ぶつかってきた相手を正面から受け止めて、じりじりと前へ押し出し寄り切る。
決まり手こそ派手さはないが、見ていて分かる。強い。
それはガチンコ本番のはずなのに、さながら横綱の出稽古だった。
相撲ファンでない私の個人的な見解だが、これからの彼に期待したい。
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