「八つ当たり」 の由来
「原発がいらないというならあなた、電気の無い生活してみなさいよ。」
ほんと驚いた。ここはネットでも2ちゃんでも掲示板でもない。
お互いに顔が見えるリアルな世界。
初対面でもなんでもない、幼馴染の自宅。相手は友人の母。
しかし彼女が私に発した言葉は私を逆に幻想の世界へと迷い込ませたのだった。
夢なら今すぐに覚めてほしい。
私だって節電はしているし、ましてや原子力に依存している電気量は全体の三割程度。
今、この日、関東の電気は火力のみで足りてるわけだし、私は値上げを受け入れないなどとも一言も発していない。電気料金も払っている。
なのにこの言われようはなんだろう。
ましてや友人の母が私にそのようなことを言える権利はあるのだろうか?
それでも友人との関係もあるからそこは堪えて逃げるようにその場を後にした。
そんな私に彼女は追い討ちをかけるように「逃げるのか。汚いわよ。」と罵倒した。
彼女の剣幕を思い出して私はその日寝ることが出来なかった。
後日その友人から意外な事実を聞かされた。
友人は兄弟揃って有名大学を卒業し、エリート街道をまっしぐら。
ところが原発事故が原因で会社を追われ人生設計が狂い、更に身内の不幸も続いたのだそうだ。
あの震災を機に周りのすべてが変化してしまい、それを受け入れられないのだという。
私に「八つ当たり」してきたというわけだ。
友人が何度も何度も謝るから、もうその件はなしにすることにした。
■「八つ当たり」の由来
さて今日の本題「八つ当たり」の由来。それは「八」の数字に秘密がありました。
「八」というのはとても広いものをあらわすようです。
「嘘八百」とか「八百万(やおよろず)の神」といった場合は「数が多い」ことを意味します。
数字で「8」と書き横にすると無限大となり更なる広がりもあるますね。
「八つ当たり」の場合は方角で考えると分かりやすいことでしょう。
「八方」つまり、「あらゆる方向や方角」のことを指します。
「四方八方」ほかにも「八方美人」なんて言葉もありますよね。
方角についての「八」を考えると「周囲の全方位、くまなく、まんべんなくといった意味となります。
「八つ当たり」なら「どこかしこに」と訳すとちょうどいい気がします。
彼女の場合は「八方塞(はっぽうふさがり)」の上での「八つ当たり」だったのでしょう。
今回は非常に不愉快な思いをしましたが、勉強になりました。
出口を探して当り散らしても解決の糸口は決して見つかりません。
私がそういったときに心がけるのは更なる不幸を呼び込まないということです。
彼女と私の関係が気まずくなったのもそう。マイナス以外の何者でもありません。
あなたにとって人生でもっとも大切なのはプライド?お金?社会的地位?
それとも家族の健康や幸せ?
すべてを勝ち得る人などいませんよ。優先順位をつけなければなりません。
何のために働くのですか?その会社は社会の役に立つ会社ですか?
その大学へいってあなたは就職以外に何かを得ることが出来ましたか?
心にゆとりはありますか?お金を追いかけ時間に追われていませんか?
大切なものが手のひらからすり抜けていくのを感じませんか?
競争社会に流されていませんか?誰かと比べていませんか?
あなたはその人生で満足ですか?
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