「モグラ」 の由来
最近立て続けに土の盛り上がった場所、通称「モグラ塚」をみました。
もしかしたらまた大きな地震が来るのか?
いやいやそんなわけはありません。
鯨や鯰じゃあるまいし・・・
私がそう考えたのは、モグラはいわゆる地中で生きるものであり地表の変化に敏感かななどと浅知恵で思いついたわけです。
地中の変化に敏感に反応して間違えて地表にでてきてしまったの?
■「モグラ」とは
しかしよく考えて見ると、ほかの生き物と違ってモグラは我々の生活に身近ではなくその生態をよく知りません。
少し調べてみました。
モグラは漢字だと土竜などと書くそうです。
そのベールに包まれた存在にはピッタリかもしれませんが。
モグラはトガリネズミ目・モグラ科 (Talpidae) の哺乳類のだといいます。
これにも少し驚きですね。
我々の同胞というわけです。
余談ですが、昔、週刊明星に連載された三島由紀夫さんの「不道徳教育」に「処女膜はモグラと人間にしか存在しない」というものが有るそうです。
これ以上深く掘り下げるつもりはありませんがちょっと興味深い話。
哺乳類同士ということも関係するのかもしれませんね。
さてその生活について。
当たり前かもしれませんが、モグラは地下にトンネルを掘りその中で生活しています。
ただし、掘削作業は重労働であるため積極的に穴掘りは行わないといいます。
あの鋭いイメージの爪はなんのためにあるのでしょうね。
主な仕事は既存のトンネルの修復や改修なのだそう。
自民党の公共事業もこうあってほしいものですね。(話の争点がずれそう)
「モグラ塚」がなぜできるのかというと、地表付近にトンネルを掘ったり巣の外へ排出された残土が積みあがるなどの理由だといいます。
これについては想像できますが、モグラが地上で死んでいる件については太陽に当たって死んだとよく言われますが、それは実は誤り。
モグラはしばしば昼間でも地上に出て来るそうで、人間が気付かないだけ。
死んでいるのは仲間との争いから地上に追い出されたものです。
モグラは地中に棲むミミズや昆虫の幼虫を主な食物としていますが、非常な大食漢なため胃の中に12時間以上食物が無いと餓死してしまうのです。
つまり地上に追いやられると必然的に死が待っているというわけ。
地下も過酷な世界ですね。
もう一つ意外な事実を書き記しておくと、実は泳ぎが上手だそうで、移動中やむなく水辺に当たった場合などは泳いで移動をするといいます。
是非一度みてみたいですね。
と思ったらユーチューブで見つかりました。
検索してみてください。
■「モグラ」の由来
モグラの由来はその発音から「潜る」からきたと考えるのが容易です。
しかし、「潜る」は比較的新しい言葉だそうで、逆にモグラからきた言葉だといわれています。
日本では、古くはモグラのことを「うころもち」と呼んでいたと宇古呂毛知の「本草和名」にあるそうです。
「あんころもち」のような「う○こ」のような可笑しな名前ですね。
他にも「うぐろもち」「むぐるもち」「うぐるもち」など様々な呼び名がありました。
共通するのは第一音が「う」「む」第二音が「ぐ」「ご」第三音は「る」「ろ」の組み合わせが多いということ。
これらはモグラが穴を掘って土を盛り上げることから、そういった意味を持つ動詞がありそこからきていると考えるのが妥当なようです。
中世で一般的だったのは「うぐろもち」でしたが、江戸時代になり文化の中心が移ると「むくらもち」とか「もぐらもち」といった「むぐろもち」系が主流となります。
それが自然と変化してゆき江戸時代後期にようやく「モグラ」が見られるようになりました。
これだけの時間を経て徐々に変化していった呼び名も珍しいですね。
漢字「土龍」については、これは本来中国ではミミズのことを呼ぶそうで、近世以降の漢字の誤用がそのまま定着してしまったようです。
今日は「モグラ」を深く掘り下げすぎたので特に一言もなくこのまま終えさせていただきたいと思います。
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