「番長(ばんちょう)」 の由来
番長といえば、やはりプロ野球選手の清原和博さんではないでしょうか。
やはり不良少年の「リーダー格」というイメージが彼をそうさせているのでしょう。
確かに長めの学ランに下駄にマントといった応援団の団長のようないわゆるバンカラの姿を想像して清原さんに当てはめるとしっくりくるというか、ピッタリはまる気がします。
このことは、本人が公認の事実でありそれを意識してか(たぶん元からお好きなのでしょう)イカツイ格好にイカツイ髪型・風貌、いじられるとすぐにプロレス技を持ち出すなど芸風に近いものがあり、楽しんでいるかのようにも見えます。
■「番長」とは
前出のように番長とは不良少年の「リーダー格」で間違いないと思っていましたが、実はそのような役割が昔のの役職にあったというのです。
番長(ばんちょう)は、律令制における役職の一つであり衛府の下級官人のことでした。
かの延喜式には左右の近衛府・衛門府・兵衛府に数名の番長役が設けられていたことが記されています。
中学校や高等学校の不良少年の「リーダー格」を指す語としての番長は20世紀になってから生まれたものであり、これは元々の律令制における役職の「番長」が武芸に秀でた護衛の統率者という性格の役職であったことからきたと考えられます。
無頼者の長といったらしっくりくるかもしれませんね。
ただ、旧日本陸軍にも「当番長」という役があったそうなので、そこから派生した言葉であるという説もあるそうです。
そんな番長職も20世紀末からは、その存在はほとんどなくなってきています。
その存在が盛り上がるのは漫画の世界が中心となっているようです。
代わってでてきたのは、不良行為に走る少年犯罪グループの存在でしょう。
番長の一般的なイメージとして存在する「喧嘩に強いが仁義に篤く、子分の面倒をよく見る」といったいわゆるリーダーの存在の有無がこういった時代背景にはあるのかもしれません。
裏を返せば、まとめ役がいないということなので学校の先生が苦労する原因の一つにもしかしたらこういったことがあげられるかもしれませんね。
そういっことからも、近年での番長の扱いはマイナスイメージではなくなりリーダーシップを取れる人物、まとめあげられる存在として我々は認識しているようです。
逆に、空威張り的な態度を軽蔑して、命名されることもありますので自分が呼ばれているときにはお気をつけください。
私の学生時代は、最後に等しい番長世代でありました。
私は不良グループとそれほど絡みがなかったので詳しくは知りませんが、そのような存在が数人いたようです。
何年経っても、どんな職につこうとも彼らの存在は一目置かれていて彼らもそれに応えるように同窓会などの時には自らまとめ役をかってでて、見事にまとめあげます。
腕力と言うよりは気質のようなものであり、持って生まれたものなのでしょう。
いつも温厚で周りから慕われる、それでも周りが持ち上げていつのまにかまとめあげてくれる。
そのような関係のない今の若者たちが少し不憫に思われるおじさん世代でした。
「男気」とは何か 軟弱なる時代に学ぶべきこと (宝島社新書 256)
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