「苺(莓・イチゴ)」 の由来
驚きます。それはケーキのイチゴが不味い時です。
クリスマスのような必要に迫られている時ならいざ知らず、いわゆる旬の時にケーキにのってきたそれが不味いとゲンナリです。
というのも関東にはそれなりに栽培農家が多いので、他の地域よりも舌は肥えています。
普通にスーパーで買うイチゴより、ケーキの上の主役ともいえるそれが甘くないとは一体どういうことなの??続きは後半で。
「イチゴ」 の由来
由来については、はっきりしていないのだそうです。
これは裏を返せばそれだけ多くの説が存在すると言うこと。
まったく俗説と思われるものから紹介すると、1月と5月に収穫されるからという説があります。
もちろんそれらしいといえばそれらしいですが、誰かが途中から言い出したと考える方が適切でしょう。
それは、旧暦、新暦があることやそれに加えて栽培地域が広く分布していること、更にイチゴの歴史が古いことからも明白です。
日本書紀には「伊致寐姑(いちびこ)」という漢字でその存在が綴られていると言います。
「新撰時鏡」には「一比古(いちびこ)」、「和名抄」では「伊知古(イチゴ)」と書かれており、どうやら歴史からは「いちびこ」から転じて「イチゴ」になったと考えるのが妥当なようです。
「いちびこ」からきたとしても更にそこにもいくつかの説があります。
接頭語の 「い」 に 実の赤さから「血」 人名から「彦」といった説、「いちび」で区切ると、それが「一位樫(いちいがし)」を表し、それプラス実を表す「こ」といった説などがそれです。
他にもとても赤い実を意味する「甚緋子」という言葉から来たとする説も見つかりました。
他にも、日本国語大辞典ではこのような語源が掲載されています。
- イチビコ(蓬(草冠に累の字))の略【東雅・大言海]。イチビコはイチビ(赤檮・檪)の転。イチビはイツイヒ(厳粒)の約【日本古語大辞典=松岡静雄】
- イヲ(魚)の血ある子のごとしというところから【日本釈名・滑稽雑談所引和訓義解】
- ヨキチコリ(好血凝)の義【名言通】
- イチはイチ(息集)の義【日本語源=賀茂百樹】
- イはイシイ(美味)の上略。チはチ(乳)の味。コは如の意【和句解】
引用:日本国語大辞典
苺の名産地、JA長野県のホームページにはこのように載っています。
いちごの名前の由来は古代の大和言葉の「イチビコ」が由来と言われ、「ビ」の発音が中略されたと言われています。果実の形態の特徴から名付けられたようです。古代の中国や朝鮮では「覆盆子(ふくぼんし)」あるいは「覆盆」と漢字で書かれていました。「覆盆」とは「覆いをした盆」「ひっくり返った盆」のことで、実の形が「覆盆」に似ているからそう呼ばれたとも、あるいは食べると精力が増しておしっこの勢いで便器の盆がひっくり返るほどだったからともいわれます。
奈良時代の『日本書紀』には「伊致寐姑(イチビコ)」、平安時代の辞典である『倭名抄』には「覆盆子ー和名以知古」と記述され、かの清少納言さんの「枕草子」にも「いみじううつくしき稚子の覆盆子など食ひたる」と登場します。
このころのいちごは滋養強壮の漢方薬として利用された野いちごの種類で、今わたしたちが口にするいちごは19世紀前半にオランダ船で持ち込まれたオランダいちごが元祖になっています。
引用:いちごはなぜいちごなの? JA長野県
「苺」という漢字からの説も二つほど。
昔々ある女性が子を産みましたが、大蛇に襲われ、その子を取られてしまいました。
女は半狂乱。わが子を返せと10年叫び続けました。
すると口から真っ赤な血の塊が飛び出し、その血の叫びが見事大蛇を撃ち果たしたのです。
この話に由来して、草かんむりに母と書いてイチゴと読ませるようになったという話。
これは本当であってもあまりおすすめできない由来ですね。
母の漢字が乳房を表すことから「乳首のような実のなる草」という解釈もあります。
これは苺の母がどんどん子株を生み出すことを表現したものとも言われます。
このように苺の由来はたくさん存在します。
ただし、現在のような苺は、江戸時代に持ち込まれた「オランダイチゴ」なのだそうで、それまでは「野いちご」がイチゴだったことを忘れてはいけません。
さて前半の続きですが、これだけの歴史と説が存在すると言うことはそれだけ人々が魅了されてきたと言うことでもあり、これからもたくさんのイチゴにまつわる話が生まれることでしょう。
そう考えるときっと、私の話などほんの些細な問題かもしれません。
でもやっぱり食べるなら甘いものがいいですよね。
ケーキは十分甘いからイチゴは彩りと考えて酸っぱくても許す。
明日からはそのように考えることにします。
むぎ - 2018年9月20日, 6:04 AM
はとバスのバスガイドが、1月~5月にとれるから1イチ と5ゴでイチゴですって言ってたらしい。
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