「冷奴(ひややっこ)」 の由来
これ以上にお手軽、短時間で出来上がり愛される(酒飲みはなおさら)食べ物もそうそうはないはずです。
しかしそれは、職人の飽くなき探究心の賜物でもあるとも言えます。
製品が冷たいと言うことはそれだけ味に自信がないとできないわけで、いくらネギや生姜、鰹節でアクセントをつけても本来の豆の風味をどれだけ活かせているか、それが腕の見せ所であります。
そんな私はあんまり豆腐は好きではありません!笑
それが今日の食材。
「冷たいやつ」冷奴。
冷奴の由来
冷奴の「奴(やっこ)」は、大名行列の先頭で槍や挟み箱を持つ役「槍持奴(やりもちやっこ)」のことからなのだそうです。
この槍持奴は大きな四角形を染めた半纏を着ていることが多かった。
その四角い大きな紋は、「釘抜紋」と呼ばれていたそう。
この紋所から、食材を大きめの立方体に切ることを「奴に切る」と表現するようになった。
「奴豆腐」は豆腐を奴に切って食べることからその名がついたと。
そして湯豆腐は「湯奴」や「煮奴」、冷やしたものは「冷奴」と。
ついでに、現代でも正月などに凧揚げをする際によく見かける「奴凧(やっこだこ)」は、この奴の筒袖を張った姿をまねて作ったものなのだそうです。
一説には、身分の低い者の姿を大名屋敷などを遥かに見下ろすところに揚げることによって、庶民がささやかな仕返しをしていたのだともいうらしい。
確かに「奴」は、武家に働く者の中でも低い身分にあたり、「中間(ちゅうげん)」や「折助(おりすけ)」と呼ばれていた身分の人たちを、蔑むときの呼び名なのだそうです。
「家つ子」(やつこ)が語源であるとされています。
さらに、、遊郭や花柳界の女性がこの身分の男性の言行をまねることがあったことより、遊女や芸者を「○○奴」と呼ぶことがあったらしい。
へぇ~よく芸者さんにを「~やっこ」と呼ぶのもこういうところからだったのですね。
思わぬ収穫。
もちろん「奴」からでなくその名前から、「冷たい」ことを表す「ひゃっこい」から転じて「冷やっこい」、「冷やっこ」になったとする説もあるそうです。
しかし、言葉の出現順では「奴豆腐」の方が先なので、それは考え難いようです。
奴は「奴隷」とか「中国から見た日本」といった卑しいものに対する言葉のイメージはもとからありましたが、日本においても同様であったようですね。
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