「枕を高くする」 の由来
高いほうがいいか低い方がいいか、どちらがいいかと聞かれたなら私は高い方を選ぶだろう。
ただあまり高すぎるものも好まない。なんだか首が疲れてしまう。
でもイギリスで泊まったホテルのあの枕はよかった。
一人用のベッドなのに枕が敷き詰められていて包まれるように眠る。
あの日は最高の睡眠が得られた。さすがベッドの本場欧州。
今の枕にも特別拘りはない。枕に限ったことではないが、興味のないものには無頓着。
だが、干した日の後は格別だ。生き返ったかのように膨らんでほどよい弾力。
毎日布団を干したらどんなによく寝られるだろうかと思ったりするがそれはそれで太陽のエネルギーに押されて体が温まりすぎる。
やはり程よいというものは何事にもあるのだろう。
■「枕を高くする」の由来
枕を高くするという言葉がある。
これは何の不安もなしに寝ること、安心して寝ることを意味する。
枕が高くて寝心地がよく、よく寝れるということではもちろんない。
昔は安心して眠れなかったのだ。といってもその昔とは大昔。
時は紀元前、場所は中国戦が蔓延る戦国時代。
歴史書にこんな一説があるのだとか。
「無楚韓之患、則大王高枕而臥、国必無憂矣。」
意味は、二つの国の争そいがなくなれば大王は枕を高くしておやすみになり国にも平穏が訪れるだろうといった意味。
四方八方、敵はいつどこから攻めてくるかわからない。
だから夜も着替えることなく、遠くの物音を聞きつけられるよう地面に耳をつけて横になっていたのだという。
そういった心配がなくなれば地面から耳を離し、高さのある枕をして眠ることができると・・・
なるほど、だから「枕を高くする」で「安心して寝る、安心する」という意味になるわけですね。
枕をすること自体が安心していることを表し、高いということに意味があったわけではありませんでした。
これはすごく意外です。それは私の冒頭の文章を読んでも明らかでしょう。
私たちは枕をして寝れるだけでもいい時代に生まれたのです。
鬼 - 2018年11月6日, 7:40 PM
とても良く分かりました!
ありがとうございます。