「背広 (スーツ)」 の由来

最初にお断りしますが、今日の文章は極力スーツで表現させていただきます。
背広と書くと、自分が老けた気がしてきますので・・
先日スーツを買いに行きました。
多少はオシャレに興味があるほうなので、ジャケットだけでもいいかなといった軽い感じで。
ジャケットなら私服としてもありかなと。
なるべく無駄にしたくないですし。

しかし、フォーマルに近い装いの場所に赴くという目的があるため、崩しすぎるわけにもいきません。
一軒め、なかなかいい感じのジャケットを見つけました。テーラードでカラフルな色使いが可愛らしさもありグッド。
壁にかけてあったため、試着も兼ねて取ってもらうと裏がド派手。白赤のボーダー!
私服ならOKでしたが、あえなく断念。よくよく考えてみると一枚としてはありですが、周りがフォーマルだと浮くなと。
更にパンツの合わせを考えるとかなりの上級者にしか不可能なアイテム。自分に着こなせるかも疑問。
でも諦めきれずに自宅に戻ってヤフオクで改めて確認しましたがサイズもなかったので見送ることに。

日を改めて二軒め。
フランスのブランド店のセールに遭遇。
私は「セール」という響きにめっぽう弱いのです。
いいもので安いならそれほど気に入らなくても手を出してしまうのは悪い癖。
黒でしまっていてなかなかいい感じのジャケを見つける。
店員さんはジーンズに合わせて私服愛用しているとのセールストーク。
羽織ってみるとサイズもまあまあ。
しかしこのデザインでは合わせられるフォーマルよりのパンツがないので・・と考え込むと、運よくサイズもいい一本を定員さんが探し出してくれた。同じ黒。これで決まりか?
試着を促すと店員が一言。

「申し訳ありません。同じ黒の商品ですがよく見たら光沢に差があるようです。」

パッと見では気づかないのだが、よーく目を凝らすと確かにパンツだけが光っている。
スーツとも呼べないし、私服で考えたならわざわざ同色異素材をあわすこともできない。
ものすごくチグハグな感じ。
「ありえない」ことなのに、今日がセール価格であることも手伝って微妙に迷う。
ジャケットだけなら・・しかし改めてパンツを買わなければならないならはじめからスーツの方が・・

その店を後にして三軒め。
定番のインポート系セレクトショップ。
ここまで来るともう迷うのが煩わしい。最初からスーツコーナーへ。
店員さんのプロフェッショナルな応対と、品物の数ですんなりと決まりなんなら予定になかったネクタイまで購入。満足して帰路へ。
家に帰ってしみじみ思う。
最初からスーツでよかったのではないだろうか。時間も大分かかったし。
そもそもなぜジャケットだけの商品がいるのだろうか。
ジャケットがあるならそれと同じ素材、デザインのスーツも作っておいたらどうだろう。
そんな疑問から、きっと由来を調べれば何かわかるかも!そして今日の話に続きます。

背広 (スーツ)の歴史・由来
英語においては、suit スーツとは?
名詞では(1)スーツ。背広服。(2)一揃。一着。一組。一式。(3)願い。嘆願。
他動詞では(1)合う。適する。都合が良い。fit。(2)気に入る。満足させる。(3)合わせる。一致させる。(4)似合う。 であります。
一般的には、同一の布地で作ったひとそろいの服のこと。
男性の背広上下、女性の上着とスカートのひとそろいなど。
キーワードはやはり、上下のマッチ、自然さであると言えましょう。
やはり素材もデザインの方向性も一緒でなくてはいけません。
英語においてはそのまんまの意味のようですね。
というより一体であるという前提から「スーツ」と呼ばれるようになったが正解でしょう。

スーツから背広
その歴史は19世紀のイギリスから。モーニングコートの裾を切り落とした上着からきているそうです。
この辺は以前ベストで潜った気がします。
驚くべきことに、当時はレジャー用だったそうです。窮屈な気がしますが・・
ビジネスウェアとなったのは19世紀末から20世紀のアメリカからだそうです。
日本へは、1860年代のフロックコートに代わって、1870年ごろから普及しました。
この時にはすでに「背広」の漢字表記があったそうです。
「背広」の語源については諸説あるそうです。

1、英語の軍服に対して、市民服「シビル・クロウズ」(civil clothes)というものがあるそうです。
そのシビル・クロウズが日本語にカナ読みされ、さらにその中の「シビル」が「セビロ」と訛ったという説。
「シビル」→「セビル」→「セビロ」→「背広」ちなみに「背広」は当て字。

2、紳士服の源流である燕尾服に用いられるテイルコートは背面から見たときに背の部分が広く見えるためという説。

3、モーニングコートの背幅が細身で狭かったのに対して、スーツは背幅が広かったから背広と呼んだ。
仕立て職人の慣用語から一般化したという説。

4、背広服を売り出したスーツの発祥地でもあるロンドンの高級洋服店街「サヴィル・ロウ」(Savile Row)が訛ったという説。
「サヴィルロウ」→「サビルロウ」→「サビロウ」→「セビロウ」→「セビロ」→「背広」

5、背筋に縫い目がなく、背幅がゆったりしていることからとの説。

この他にもたくさんあるようでが、本当のところは定かではないそうです。
果たして当て字なのか意味があるのか・・
私は漢字に意味がある方ではないかと考えます。なぜって私は・・極度のなで肩なので。
そうかだからジャケットだけだとしっくりこないのかもしれませんね。
でもテレビをみると、笑っていいとものタモリさん(なで肩日本代表)が笑顔でジャケットを見事に着こなしているのでした。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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