「瘡蓋(かさぶた)」 の由来
幼いころは愚かなものです。
人間の再生能力をもてあそんだりします。
転んだとき膝や肘などを負傷すると傷の大きさや深さにもよりますが、血がにじんできます。
もちろん消毒などをしますが、時間の経過と共に透明なまた別の液体のまくができてきますよね。
小さな子供であればまず最初にこう叫ぶでしょう。
「絆創膏貼ってぇ~。」
私の頃など目立たない肌色が主流でしたが、今ではテレビでお馴染みのキャラクターが一枚一枚別の表情でプリントされ、お手ごろ価格で購入できます。
痛い思いをしたのだから、これぐらい楽しいこともあってもいいだろうといわんばかりに子供は絆創膏を貼る事をねだります。
しかし大人になると悟るのです。絆創膏など気休めに近く、本来人間の持つ治癒能力に頼った方が治りが早いということを。
しかし、その悟りを開くためにはやはり忍耐の修行が必要なのです。
傷口が固まり、徐々にはがれだしますが、その大きさによって全てがキレイに落ちるには時間がかかるのです。それが待ちきれずに、どれだけ私は要らぬ傷を体に残したことでしょう。
もう一歩、あと少し、待ちきれず、我慢できずに上下させ、左右に揺らしそして最後に毟り取る。
結果、まだ再生しきれない白い部分が悲鳴をあげ、数秒後に血がにじんできます。
それでも前のかさぶたより小さくなったことに満面の笑みを浮かべますが、それは退院間際に無理をして、再入院する患者とたいして違いはないのです。
まぁそうしてみんな賢くなり、大人になっていくわけですがね。
それはもちろん絆創膏会社の戦略にまんまとかからなければの話なわけです。
ところでこの「かさぶた」漢字で書けば「瘡蓋」。
グッドネーミングの響きですが、由来を調べてみましょう。
かさぶたの定義は?
動物の生体保護現象の一つで、主に傷口の出血を止める目的の過程で発現します。
医学の専門用語では痂皮(かひ)と呼ぶそうです。
この「痂」という漢字みたことないので調べてみるとこれ一字で「かさぶた」の意味があるようです。
つまり「かさぶたのかわ」というわけですね。
冒頭で取り上げた表面に、にじみ出る液体は漿液(しょうえき)と言うそうです。
そのほかにも、膿(うみ)・血液などが乾くことで「かさぶた」は構成されます。
漿液とは、粘性物質を含まない、比較的さらさらした透明な分泌液のことだそうです。
胃液などの消化液、漿膜からの分泌液なども同類となります。
ついでに膿についても調べてみると、膿(うみ)とは、化膿した際に傷口から出てくる黄白色でアルカリ性の液体のこと。
微生物を食べる過程で崩壊した白血球や他の組織が崩壊したものや、その他の死んだ又は生きている細菌のことだそうです。
つまり、膿が悪いものなのではなくて、膿むような状態にある現状があまりよくないというふうに私は受け取りました。
誤解してましたよ「膿」さん。
かさぶたのお仕事は、表皮及び皮下細胞まで露出した傷口の保護。
細菌などの異物の侵入を防ぎ、ある程度の深さまでの傷ならば、切断面同士の接着までの間の固定の作用も期待出来ます。えらい!
「かさぶた」の由来
かさぶたは漢字で「瘡蓋」と書きます。
由来はこの文字の通り「瘡(かさ:傷の事)」の「蓋」なのだそうです。
なるほど、「ぶた」は蓋のことだったのですね。
東北、北陸などでは訛りで、かさびた、かさぴた、かさっ子、かさっぱち等と呼ばれることもあるそうです。
更に沖縄では「にーぶたー」と呼ばれることも。豚足とかありますからね。関係ないか・・
北海道では「がんべ」、西九州では単語で「つ」と呼ぶ地方もあるそうです。
これは「血(ち)」のあとにできるから「つ」。
たちつてとってことですか。親父ギャグ??
これだけ色々な呼び名があるのは、その愛嬌と親しみやすさからなのだと私はその自分の経験から悟るわけです。
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