「みたらし団子」 の由来

子供のころは目がなかったんです。
甘いものは今でも好きですがね。
甘いのか、しょっぱいのか、あの微妙なさじ加減は子供のため?
醤油だれからくるあの香ばしい匂いに惹かれてふらふら~と。

今日は、「みたらし団子」

今までの人生でどれが一番だったかと聞かれたならば、五年前に死んだおばあちゃんの味に間違いありません。
近くに居ながら家庭の事情で一度も一緒に住んだことのなかったおばあちゃん。
年に一度くらいしか行けなかったんだけど、その度に新鮮な出会いがありました。
食は細かったんだけど、内容はよく考えられていてどれも美味しい。
ついでに書くと、90過ぎても瓶のコーラを飲んでいるミラクルぶりでした。
手作りって昔の人は当たり前なんだけど、出来合になれた我々の舌には時には感動すら覚えますよね。
へぇ~これってうちでも作れるものなんだと子供ながらに感心していました。

時は流れて昨日の話。家族がお土産に団子を買ってきたんです。
餡子とみたらしと五本づつ。(おいおい、いくら安かったからってそんなに食べないだろう。)
そこへちょうど近所の子供(4,5歳)がやってきたから主語を付けずに聞いてみたんです。

「あんことみたらしどっちがいい?」
「みたらし~」
「何のことか分かるの?」
「団子でしょ。」

そりぁやっぱりみたらしだよね。っていうか「みたらし」なんて言葉よく知っているな~。
ところで「みたらし」って考えてみると不思議な言葉。
調べてみると「御手洗団子」と書くそうなんです。
ええっ!?トイレの団子?

「御手洗」にはどうやら神社が関係しているようです。
神社にはお参りするときに手を洗ったり口をすすぐために御手洗川というのが流れていることが多いようです。
漢字を見ても手を洗うことに丁寧語「御」がつく。
「清める」ためなのでしょう。

昔、京都の下賀茂神社にもそのような川があったそうです。
下賀茂神社では土用の丑の日に、参詣人が川に膝までひたり無病息災を祈る「御手洗詣」でという行事がありました。
神池に足をつけ、燈明をお供えし、御神水を戴くと諸病にかからず、延命長寿の霊験あらたかと言い伝えられたくさんの人で賑わいました。
この御手洗詣での日に境内で串団子を売る店が登場。
いつしか名物となり御手洗詣でにあやかってこの団子を「御手洗団子」と呼ぶようになったというのが一説。

同じ下賀茂神社でもう一説。
鎌倉時代、後醍醐天皇が行幸の折り下鴨の御手洗池で水をすくったところ、泡がひとつ浮き、やや間をおいて四つの泡が浮き上がったという。
その泡にちなんで指頭大の団子を竹串の先にひとつ、やや間をおいて四つ連ねてさしたのが、御手洗団子の起源となったとのこと。

どちらにしても下賀茂神社で生まれたのは間違いなさそうですね。

昔はこれを十串一束とし、熊笹で扇型に包んで持ち帰ったらしい。
形は俵型で人体を形代として模したものであり、まじないの意味から食べた者の健康を祈願したようです。
でも私の知る団子は1串に四つだった気が・・
その昔は基本5粒を5文で売っていたそうなんです。

しかしその後、4文銭てのができたので、四粒四文になったとか。
無病息災・健康を祈るなら「四」は不吉じゃないかい? 笑
だからうちの家族は五本×2つまり十串一束を買ってきたのだろうか?




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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