「いびつ」 の由来

飯櫃ってご存知ですか?めしびつと読みます。
漢字だけ見ても我々の世代では想像もつきませんが読み仮名を見ればなんとなく理解できることでしょう。
飯櫃とは炊き上がったご飯を入れておく器のことです。
電子ジャーが主流となった現代では炊き上がってもそのまんま保温となりますが、一昔前は竈などで炊き上げたあと、移しておく容器が存在していたのです。
「めしびつ」ではあまり馴染みがないかもしれませんが、「おひつ」とか「おはち」と言わたならば、記憶の片隅から掘り起こすことができます。
多くは木製で、白木(サワラ材)や漆器のものもあります。
漆器であればそういえば温泉宿などで今も見ることができますよね。
蓋の形状によっては、つめびつ、のせびつ(関西櫃、地櫃)かぶせびつ(江戸櫃)などがあるそうです。
私は実物(使っている)を実家で見たことがあります。
うちの両親はライフスタイルに拘りがあるようで、竈を作ったかと思えば薪を積み出してそして最後に白木のおひつを購入したのでした。
なんだってそんな面倒くさいことをと、鼻で笑っていたのですが、いざ使ってみるとすごく理にかなっているのです。
ごはんの蒸気をほどよく吸収し、過熱時にその水分を再び放出することで炊きたてのおいしさをよみがえらせてくれるのです。
素晴らしい。
今なら節電の一つに電子ジャーの保温機能の項目がはいっているのでそういった点でもお勧めです。
ただし!お値段が若干高めです。
エコエネルギーなので・・
数万円つまりは安い電子ジャー並みの値段です。
それと新しいものは、木肌がなれないので木の香が飯に移ることがあります。
木の香を抜くには熱湯で満たしたあと少量の酢を加えるということを数回繰り返せば解消されます。
ぜひお試しください。
ってそんな豆知識いらないですか?

「いびつ」の由来に飯櫃

さてそんな飯櫃を語源とする言葉があるそうなんですが、お気づきでしょうか?
それは「いびつ」です。
「いびつ」といえば頭の形ではないでしょうか。
私も決していい方ではないので(絶壁)えらそうな事はいえませんが、特に短髪の多い男性にとっては気になるところです。
いびつとは、形や状態が整わず歪んでいることを言います。
それが物事を考える大切な頭であったなら考え方まで歪んでいると誤解を受けることも・・ それはないですね。
赤ちゃんの時の親の寝かせかたが悪かったのか、それとも成長過程で冒険をしすぎたのか・・
そんな過程はさておき、「いびつ」という言葉は古くから「いいびつ」と「いびつ」の両方が用いられてきましたがその語源は「飯櫃(いいびつ)」が転じてできたそうなんです。
でも私の知る「おひつ」ってキレイな円形だった気がするのですが・・
それについては昔の飯櫃は楕円形だったという歴史がからんでいるそうです。
楕円形つまり歪んだ円形が「いびつ」となったと考えられます。
そうして江戸時代以後、物の形や状態が整っていないことに「いびつ」が用いられるようになったのだそうな。
今日は思いもよらない由来メモでした。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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