「ブス」 の由来
昔はよく使っていたのに最近なんだか聞かない言葉シリーズ!
そんなコーナーはなかったのですが、新しいものについてゆけずに古いものを見直すしかない私のささやかな抵抗なのかもしれません。
そして今日は「ブス」について。
ブスとは、顔の醜い人のこと。
主に女性に対して使われると、まったくデリカシーのない言葉の説明がありました。
刀を持つフリをして走りより、お腹付近にそれをさし、周りに聞こえるはっきりした掛け声を一つ「ブス」。
なんてことを私はしていたのでしょうか。
もちろん悪びれることはなく、ほんのダジャレのノリなのですが、小学校低学年の器量のあまりよくないとされるクラスメートの女の子は顔を押さえて泣きじゃくるのでした。
たった二文字でもその破壊力は凄まじく、それはこの例えのように切れる刃物のようでありながら濁音で鈍い音を立てるのでした。
カブトムシのメスをご存知でしょうか?
あの人気のないことといったら。
雄雌セットでなければ卵を産むことは出来ないわけで、ホームセンターなどでも数百円でペアで売っていることが多いようです。
それがもしメスだけだったら、その値段は数十円もしないのです。
もちろん器量は悪く、オスのように持ち上げるのに都合のよい角もなく体ごと持とうとすると、その足のトゲが我々の指先を刺激する。
動くと匂いも臭いし、動くと鈍い音(泣き声?)を・・・
この辺にしておきましょう。
あまりにも可哀想過ぎる。(自分で書きながら)
何が言いたいかといえば、偶然訪れた土地の方言でこのカブトムシのメスをこう呼んでいたんです。
「ブス」と。
グッドネーミングに笑いを堪えることができずに、突っ込みもいれてしまいました。
「ブス」の由来
驚きました。
ブスには漢字があったのです。
「附子」と書きます。
~子が定番の日本で、もしこの漢字の名前をつけられた女の子がいたら立ち直れませんね。
冗談はさておき、この漢字が由来に関係が有るそうなんです。
この「附子」はトリカブトの塊根を意味します。
ちなみにトリカブトとは、植物でキンポウゲ科トリカブト属の総称。
塊根とは根っこのことであり、乾かしたものは漢方薬や毒として用いられるそうです。
漢方薬としてのトリカブトの根は「付子(ぶし)」とか「烏頭(うず)」と呼ばれ鎮痛・強心剤として重宝されます。
そして逆に毒としてはドクゼリ、ドクウツギと並んで日本三大有毒植物の一つとされ、猛毒アルカイドが含まれており、
誤って口に含むと顔面の神経機能が麻痺し、無表情になるのです。
その無表情な様を「附子」と言うようになり、そこから転じて醜い顔のことを「ブス」と言うようになったのだそうです。
つまり事故の後のビートたけしさんみたいな?
更に「附子」には狂言を由来とする説も存在するそうですが、こちらの「附子」もトリカブトの毒薬を意味するそうで、トリカブト説が有力と言えます。
普通の認識では「ブス」とは醜いとか器量が悪いってことなんでしょうけど、リアクションが悪かったり無表情だと特に女性は魅力は半減。
そういえば「ぶすっとして」とか言いますものね。
由来から見た「ブス」は正しく感じますが、、やはりその響きがよくない。
もったいないもったいない「ブス」の由来でした。
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