「あこぎ」 の由来
「あこぎ」私がよく使う言葉です。
あこぎとは、強欲でやり方が義理人情に欠けあくどいさま。
無慈悲に金品をむさぼること。
図々しい又はあつかましいといった意味も有ります。
決してアコースティックギターのことではありません。
私は恥ずかしながら昔、間違えていました。
最近はあまり使われないため間違える人が多いようですよと若干フォローしておきます。
いつからこの言葉を覚えたのでしょうか。
江戸時代ころから使われていた言葉らしいのですが・・
そうでした。
時代劇の悪代官が悪商人(手下)に言う決り文句です。
「あこぎな奴よのお」お前も十分悪いだろうと、テレビの前でつっこみをいれながらそのお約束を何度も見ているうちに覚えていたのかもしれません。
ある意味印籠に次ぐ高視聴率が期待できる場面かもしれません。
いや、由美かおるさんの入浴シーンが一番でしたか。
その他に日常場面で使われるとすれば「あこぎな商売」という言葉にみられる程度ではないでしょうか。
確かにいまでも「あこぎ=商売」のせっと販売が多いですね。
儲けばかり気にして人情味にかけると人から影で呼ばれることでしょう。
気をつけたいものですね。
「あこぎ」の由来
あこぎは、三重県の津市にある、阿漕ヶ浦(あこぎがうら)という場所からきているのだそうです。
地名だったのですね。意外な展開です。
阿漕ヶ浦は伊勢神宮にお供えするための禁漁域だったそうなんです。
ところがある漁師(阿漕の平次と呼ばれる人だったらしい)がたびたび密漁をして捕らえられたという伝説からだそうで、このことが平安時代の和歌集である「古今和歌六帖」に歌にあるそうです。
「逢ふ事を阿漕の島にひく網のたび重ならば人も知りなむ」
隠れてこっそり神様にお供えするお魚をいただく。
あこぎですね~。あくどい商売です。
皮肉なことにこの話からさまざまな話ができあがり、阿漕ヶ浦の名は世間に浸透していったのでした。
調べてみると更に、不思議な意味がでてきました。
「度重なること」を「あこぎ」と言うそうなんです。
そんな訳は聞いたことがありませんよね。
そのような使い方が室町時代の「源平衰退期」にあるそうで、「あこぎ」を「度重なること」の比喩として用いていているそうです。
そこから近世以降には「しつこいさま」の意味で使われるようになったとか。
でも現代では(少なくとも私は)使う機会はあまりないようです。
「あの新聞勧誘はあこぎだな~」なんて使うのでしょうか。
直訳すると「あの新聞勧誘は強欲でやり方があくどくてその上しつこいなぁ~」となります。
更にしつこいがつくとすごくいやな感じ倍増ですね。
「あ~あの時魚なんかとるんじゃなかったな~。」
地元の名前をすっかり汚してしまった阿漕の平次さんはきっとあの世(たぶん地獄に近いほう)で悔やんでいるかもしれません。
だって今伝わる「あこぎ」の訳をみたら「人間として最低」な意味ばかりですからね。
地元の方から詳しい事情をコメントを頂き、上の行は削除させていただきました。
やむにやまれずの事情があっての禁漁区での漁だったのですね。
地元では、「阿漕平次は親孝行の息子」として尊敬されているそうです。
さとこ - 2011年7月11日, 11:38 AM
阿漕平治を祀る神社の近くに昔住んでいました。
漁師の平治さんは元は武士で、病気のお母さんの養生のために禁漁区でやがらという魚を捕っていました。
やがらはバラクーダに似ている(!?)細長い魚で当時は精のつく魚だったようで、この魚のお陰でお母さんは病気から快方に向かったそうです。
ある夜、漁中に見回りに見つかりかけ、平治さんはあわてて逃げたそうですが名前の入った笠を忘れてしまったため発覚したそうです。元武士だった平治さんは逃げることなく捉えられ、母を思っての禁漁区での漁について奉行も情状酌量をしてやりたくもできず、簀巻きにされ阿漕浦に投げ込まれたのです。
彼を偲んで毎年8月14~16日は平治神社で盆踊り供養が行われます。
禁漁区を犯したただの漁師さんではなく、地元では親孝行の平治さんとして語り継がれている人です。
なんだか話がそれましたが、地元民として平治さんの本当のお話をお伝えしたく、コメントさせていただきました。
そんな私も「あこぎ」の由来を調べていてこちらにたどり着きました。
匿名 - 2014年6月24日, 12:30 PM
地元の人で由来を知っている人は
平治の事を悪い人とは思っていません
平治煎餅が笠の形なのはなんだか少し寂しいです
http://www.heijisenbei.com/