「アナゴ(穴子・海鰻)」 の由来
衝撃でした。
小学校の時のお話。
当時流行りだした回転寿司に、母と自分の同級生の三人で訪れたんです。
確かあれは市民プールへ行った帰りでした。
いつも行くお店より、友人が勧める店へ行ってみようということになり、五差路の入りづらいその店を訪れました。
私はというと食も細く、食欲というものもほとんど無かったのでいつものように子供染みた、たまごやまぐろを適当に頬張っていました。
伸長こそ20センチほどの違いでしたが、体重は私の倍近くあろう友人は、次々に(遠慮なく)皿を積み上げていきます。
その中でも、彼が三皿に一皿ほど口に運ぶのが「穴子」でした。
食に興味の無い私はというと、当然その存在すらも知らずにいた
奇妙なお魚「アナゴ」。
彼はどんどん口の中に放り込んでいきます。
「それってそんなに美味しいの?」
「何馬鹿なこと言ってんだよ。食ってみろよ。」
もちろん無理に親に促されても食べなかったことでしょう。
でも友人の一言って大きいんですよね。
食べてみると・・・驚きました。甘いって何?みたいな。
今考えてみれば、ご飯こそ若干温かかったものの、
穴子は冷凍で決して最近のものに比べると美味しいとはいえなかったはずです。
しかし、それ以来私は寿司屋にいくと必ず注文するようになったのでした。
■「アナゴ」の由来
いつも思うのですが、「アナゴ」って生息場所の違いこそあれ限りなく「うなぎ」に似ているんです。更に陸に似ているものがいますよね。
そうなんです。
「ヘビ」です。
そんな想像をすると、、よくみんな食べられるなって・・・
やっぱり水の中をニョロニョロしているんだろうし。
よく見たことはないですが、きっと水の中に落ちたときのミミズみたいなのかなぁ・・・
調べてみると、アナゴは「ウナギ目アナゴ科」とのことなので、やはり同類のよう。
日中は岩穴や砂の中に棲む夜行性の魚だそうで、「穴籠り(あなごもり)」することから「穴子」となったという説が最有力といわれています。
砂の中にいるというイメージはありましたが、夜行性というのははじめて知りました。
また、他説として、うなぎの「なぎ」と同様に「なご」について、水中に棲む長い生き物を「nag」の音で表していたというものもあるそうです。
確かにいわれてみれば「あなご」に「うなぎ」、「あ行+な+カ行の濁音」てことで似ていることに気付いたから驚きですね。
更に今回どうしても取り上げたかったものがあります。
それは「チンアナゴ」。
高知県、琉球列島からインド洋、西部太平洋にかけて分布するアナゴの仲間で、水深10m~50mくらいのサンゴ礁の縁のような潮通しのよい砂底に群れをなして生息。
体長は約35cmほどで、その群れは数百匹になることもあります。
後半身は砂に入り、頭胸部を外に出して潮の流れの方に頭を向け、流れてくる動物プランクトンを摂食し、とても臆病なため、ちょっとした刺激ですぐに砂の中に隠れてしまいます。
その姿が奇妙で私は水族館で釘づけになりました。
是非皆さんも水族館を訪れた際は探してみてください。
その名前の由来を調べてみると、漢字では「狆穴子」と書き顔つきがイヌの狆(チン)に似ているアナゴということからついた名前だそうです。
なんだそっちヵ・・・ ちょっと下ネタを期待していました。笑
さて話を昔話に戻すと、回転寿司に一緒に行ったその同級生は、今頃はおそらく瀬戸内海で船のスクリューを作っています。
海の近くできっと美味しいアナゴを頬張っていることでしょう。
そして私はというと、未だに寿司屋に行くと必ずアナゴを食べます。
いつもあの時のことを、彼が美味しそうに食べる姿を思い出しながらです。
魚住かまぼこ店 珍味蒲鉾 詰め合わせ 3本入(紅鮭巻、穴子巻、明太子入)
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